- 歩きだしてしまった方角 八尾 史(インド哲学仏教学) 私の選択、と呼べるようなことを大学に入ってこのかたした記憶がありません。歩きだしてしまった方角へ先も見えずに歩いているうちに二十何年経っていて、いまだに先が見えません、などとい...
- 抗いがたい魅力につかまってしまった話 木下 華子(国文学) 私の専門は、日本の中世文学、平安時代後半から鎌倉・南北朝・室町時代という動乱の時期の文学である。なぜ、中世文学の研究者になったのか。どういう選択を重ねてここに至ったのか。それを...
- 流されながらの選択 松田 陽(文化資源学) 人は、実にたくさんの選択をしながら生きていくが、私が今の専門にたどり着く上で決定的となった選択は何だったか。開陳して誇れるようなものがあればよいのだが、出てこない。自分自身が選...
- 結果オーライにする(現在進行形) 浅野 倫子(心理学)私は子どものころから、「この人はなぜこのようにふるまうのだろう」というような人間の行動や思考に漠然とした興味があり、自然と、大学でも心理学を学びたいと思った。心理学とは人の心(mind、何かを思考した...
- 「役立ちたくないので 数学者と文学者に憧れている」 塩塚 秀一郎(フランス語フランス文学)「役立ちたくないので数学者と文学者に憧れている」。つい最近、こう嘯いている人を見かけた。理科1類に入学しながらフランス文学を専攻した私の選択も、煎じ詰めればそういうことだったのかもしれない。数学志望か...
- 図書館の書庫 島田 竜登(東洋史学)大学に入学したのは30年以上前のことである。1992年4月に早稲田大学政治経済学部経済学科に入学した。大規模大学であったので学内の施設は多数あったが、なかでも中央図書館が好きだった。入学の前年に開館し...
- 新たな学問を創造できる場所 吉田 寛(美学芸術学)「私の選択」という与えられた問いに素直に答えるなら、私は二度、東京大学文学部・大学院人文社会系研究科を「選択」しています。一度目は1996年に大学院の進学にあたって、そして二度目は2019年に勤務先の...
- 「私の選択?」 堀江 宗正(死生学応用倫理)このエッセイのテーマは「私の選択」なのだが、それは本当に「私の選択」なのか。人文社会系研究科の教員なら、誰もがそう疑問に思うだろう。仮に、そのような疑問はおくびにも出さないようなエッセイを書いていたと...
- 気がついたときには、もう選択は終わっていた 藤井 光(現代文芸論)2008年の夏の数日、僕はアメリカのアイダホ州北部の山間地に滞在していた。そのとき翻訳していた小説の作者デニス・ジョンソンが、そこに居を構えていて、自宅を誰にでも開放する期間に招いてくれたのだ。 ...
- 人とは違う道 長屋 尚典(言語学)人と違うことがしたい。 私は言語学研究室でフィリピンやインドネシアで話されるオーストロネシア語族の言語を研究しているが、なぜ私が今の専門分野を選択したかと聞かれれば、結局のところその一言に尽きる。 ...
- 「私の選択?」 加藤 隆宏(インド哲学仏教学)私たちは何かを選択する時、完全に自由に自分の意志や努力でそれを選び取ることができているのでしょうか。自分の経験に照らして考えてみると、どうもそういうわけではない気がします。私たちが選択できるものには限...
- 日伊間の博士号ダブルディグリーの仕組みを創設する 土肥 秀行(南欧文学) 研究者としての自分のこれまでについて、大学院進学を考えている学部生のみなさん、そして研究を続けるかどうか迷っている博士課程を終える前、あるいは終えたが常勤のない方々を想定しつつ書いていきま...
- 読めば読むほど 佐藤 至子(国文学) 私は近世(江戸時代)の文学を研究している。主な研究対象の一つは十九世紀に江戸で出版された合巻(ごうかん)と呼ばれる小説である。合巻は、ほぼ全ての紙面に挿絵があり、紙面上に挿絵と文章が混在す...
- 考古学を選んだこと 根岸 洋(考古学) 私は2021年に人文社会系研究科・文学部の考古学研究室に着任した。母校に教員として戻ってきたことになるが、それまでの選択がどんなものであったのかを問われると、人に語ることができるほど立派な...
- 圧倒的な現実にコトバを与える 西村 明(宗教学宗教史学) 自分が文学部に進学して人文学、とりわけ宗教学をライフワークに選んだのはなぜだったのだろうか。2006年末に博論をベースに出版した単著(『戦後日本と戦争死者慰霊—シズメとフルイのダイナミズム...
- 認識の仕組みを求めて 井島 正博(日本語日本文学)日本語学、中でも文法を一生の仕事にしてしまった経緯はどこにあったのか、熟々思い返してみたい。そういえば私がまだ幼かった頃、高校の国語教師であった父から、ヨットの帆に船の上から扇風機で風を送ったらヨット...
- 女の一生と人生の岐路 芳賀 京子(次世代人文学開発センター) 「ヘラクレスの選択」という言葉がある。人生の重大な岐路では敢えて困難な道を選ぶべし、という教訓として語られることが多い(興味のある人は、クセノフォン『ソクラテスの思い出』2.1.21–34...
- 自分の直感を信じる。 小林 真理(文化資源学) 進路選択ということに限定すれば、自分なりに大きかったのは、高校から大学に行くときだったと思います。私は、ほぼストレートに全員が付属の大学に進学する女子大の付属高校に入学しました。そこから別...
- せっかくだし 菊地 達也(イスラム学) 「イスラム学」などという、多くの人にとって耳馴染みのない学問分野に従事していると、しばしば「そのような分野を選んだのはなぜですか」と尋ねられる。そんな風変わりでマイナーな分野を選択するから...
