プログラム概要
「死生学」は、死すべき存在である人間のあり方を見すえ、そこから生きることの意味を再考し、死を意識せざるを得ない人間を主題とする学問です。また、「応用倫理」は、現代社会のさまざまな場面で起きている諸問題に即して、私たちがどのような姿勢で、どのような対応をすべきかを考える営みです。科学と技術が我々の生活を飛躍的に便利にするに従い、これまでは考えられもしなかったさまざまな問題が生まれてきました。その中で技術を用いて寿命を延ばすこと、より便利な生を追求することは、生物としての人間にとって不可避の死から目をそらし、自然との断絶をもたらし、逆に人間の生の内実を貧弱にしてきたのではないか、という反省があります。果たして人間にとって科学技術とは何なのか、何であるべきなのか、また人間にとって生きることと死ぬことはどのようなものであるべきなのか、このような問いから発したのが、「死生学」であり「応用倫理」であると言えます。いずれも、その問いが包括的であることから、哲学、倫理学、宗教学、歴史学から、社会学、心理学、教育学、更に医学、看護学、法学、技術系の諸学問領域に至るまで、幅広い分野を包含することになります。
2011年に発足した人文社会系研究科「死生学・応用倫理センター」は、死生学と応用倫理に関する学際的教育を構築するために、学部横断型の「死生学・応用倫理教育プログラム」を開設し、これらの分野に関する学際的な知識を有する学生の育成を行います。関心を有する学生諸君の積極的な参加を歓迎します。
プログラムの構成
「死生学・応用倫理教育プログラム」は必修科目(概論)、必修選択科目(演習)、選択科目の3種類の授業からなります。必修科目は「死生学概論」「応用倫理概論」の2講義4単位、必修選択科目は「死生学演習」「応用倫理演習」のうちから2単位、選択科目は6単位、計12単位以上の履修により、修了が認定されます。履修者に対しては、東京大学教育運営委員会より修了証を付与します。
【修了に必要な単位数】
科目名 | 必要単位 | |
---|---|---|
必修科目 | 死生学概論(2単位) 応用倫理概論(2単位) |
4単位 |
必修選択科目 | 死生学演習(2単位) 応用倫理演習(2単位) |
2単位 |
選択科目 | 各部局で開設する科目 | 6単位 |
対象
学部生と大学院生。但し、大学院生が履修を希望する場合は、学部生向け科目を登録してください。
プログラムへの参加方法
必修科目・選択科目ともに、所属する各学部で通常通りの履修手続きを行ってください。所属学部以外の科目については、他学部履修の手続きを行ってください。
計12単位以上を取得し、修了証の交付を希望する場合は、UTASにて修了証発行の申請手続きを行います。修了証の申請時期は、学部卒業・大学院修了(博士課程満期退学を含む)する学期の始めです。具体的な申請期間は、当プログラムのホームページか、所属する各部局の事務にご確認ください。
修了証を発行できるのは、卒業・修了年次のみとなります。修了証申請を行わなかった場合には修了証は交付されません。
なお、修了を目的とせず、個別の科目を履修することも歓迎いたします。
部局横断型「死生学・応用倫理教育プログラム」開講科目
死生学・応用倫理センターホームページでご確認下さい。