文学部の各専修課程・研究室や講座を超えて新しい研究を展開するため、1966年に文学部附設施設として創設された文化交流研究施設が前身であり、改組されて2005年より現在の名称となった。人文社会系研究科・文学部に所属し、研究を主体とした活動を行う。センター長は研究科・文学部長。2018年に部門名を現在のものに変更した。
文化交流学部門
アジア海域思想文化 小島 毅
地中海域形象文化 芳賀京子
堀内秀樹
国際人文学部門
日本語教育 鎌田美千子
人文情報学部門 大向一輝
「死生学拠点」は、2012年に死生学・応用倫理センターとして独立した。
http://www.l.u-tokyo.ac.jp/dalspe/
文化交流学部門
https://bunkakoryu.l.u-tokyo.ac.jp
旧文化交流研究施設「基礎理論部門」の活動理念を発展的に受け継ぎ、複数の専門領域にわたる研究、複数の地域文化を対象にする研究、あるいは諸地域間の文化交流の研究など、領域横断的で国際的な研究を行ない、かつ、それを公開発信していくことを目的とする。以前在籍した教員としては、日本文学の吉田精一教授、美術史学の秋山光和教授、チベット語・チベット史の山口瑞鳳教授、美術史・考古学の青柳正規教授、イタリア美術史の小佐野重利教授らがいた。
思想文化と形象文化の二つの柱を立て、教育面では学部の「文化交流特殊講義」と「文化交流演習」、大学院では所属教員の研究に近い専門分野の授業を担当している。現在は小島毅教授がアジア海域思想文化、芳賀京子教授が地中海域の形象文化を担当している。
紀要として『文化交流研究』を年刊で発行している。
多分野交流演習プロジェクトの運営を担当している。
https://www.l.u-tokyo.ac.jp/program/communication.html
2015年に始まった東京大学ビジョン2020推進事業「サステイナビリティと人文知」の本部としても活動している。
https://sus-humanities.l.u-tokyo.ac.jp
また、文学部の専任教職員によるファカルティディベロップメント活動として、文化交流研究懇談会と文化交流茶話会を主催・運営している。前者は定年退職教員、後者は原則として新任教員による研究発表で、互いの研究内容を知る機会を提供している。
前者についてはその一部を交代でこのHP上にて公開し、後者については『文化交流研究』に掲載している。
第236回文化交流研究懇談会(2018年3月1日)
大貫静夫先生(2023年12月29日にご逝去されました。謹んでお悔やみ申し上げます)
東アジアはどのように成立したか
国際人文学部門
国際人文学部門は、大学の国際化に対応して、主に日本語教育、国際教育、さらに人文学及び隣接諸分野の国際連携に資する研究を行っている。専任教員は、鎌田美千子教授、大足恭平助教、笠原真理子助教、菊間晴子助教、吉田夏美助教、石坂桜特任助教、夏木大吾特任助教である。兼務教員は、唐沢かおり教授、齋藤希史教授、鈴木淳教授、阿部賢一准教授である。
専任教員は、以下の研究や学内プロジェクト、業務に携わっている。鎌田教授は、日本語教授法開発と日本語教師教育に関する研究に取り組んでいる。大足助教は、兼務教員の鈴木淳教授のもとで情報メディア室を担当している。笠原助教は、兼務教員の齋藤希史教授のもとでヒューマニティーズセンターを担当している。菊間助教は、兼務教員の阿部賢一准教授のもとで大江健三郎文庫を担当している。吉田助教は、専任教員の鎌田教授のもとで留学生特別講座プログラム(通称「留学生のための特別講座」)を担当している。夏木特任助教は、文学部夏期・冬期特別プログラムと後期教養教育を担当している。石坂特任助教は、兼務教員の鈴木淳教授のもとで東京大学百五十年史編纂を担当している。
学生への教育としては、鎌田教授が学部の「文化交流演習」と大学院の「多分野交流演習」を担当し、「日本語教育学概説」「日本語教育学演習」を開講している。加えて、人文社会系研究科・文学部日本語教室の室長を兼務し、留学生に対する日本語教育を担当している。また、吉田助教が「留学生のための特別講座」のショートレクチャーを担当している。夏木特任助教が文学部夏期・冬期特別プログラムと後期教養教育を担当している。
人文社会系研究科・文学部日本語教室
https://www.l.u-tokyo.ac.jp/nihongo/
文学部夏季・冬季特別プログラム
https://www.l.u-tokyo.ac.jp/program/special/summer.html
https://www.l.u-tokyo.ac.jp/program/special/winter.html
ヒューマニティーズセンター
https://hmc.u-tokyo.ac.jp/ja/humanities-liaison/
大江健三郎文庫
https://oe.l.u-tokyo.ac.jp/
人文情報学部門
人文情報学部門は本センターの創成部門に2013年に設置された。デジタル化技術の革新とウェブシステムの急速な発展は人文社会学における知の保存形態と発信の方法とを大きく変革し、大学、図書館、博物館等に個別に所蔵される知を、広大な一つの地平へと開き出しつつある。過去から継承される多様で膨大な文化資源に立脚する人文社会学の領域にとって、この変化にいかに対応しうるかは、学問の将来を決める重要な課題である。2018年のセンター改組により、人文情報学部門となった。
本部門は、この課題に対応し次世代人文社会学に備えるべく、2008年に設置された萌芽部門「データベース拠点・大蔵経」(http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/CEH/)の5年間の活動、つづく創成部門・人文情報学拠点の活動の成果を踏まえ、拡充改組されて本部門に移された。現在、部門は、大向一輝准教授、塚越柚季助教の2人の専任教員に加え、小林正人教授(言語学)、高岸輝教授(美術史学)、高橋晃一教授(インド哲学仏教学)、高橋典幸教授(日本史学)、鉄野昌弘教授(国文学)、中村雄祐教授(文化資源学)の兼担教員6名によって構成されている。
教育としては、研究科内で人文情報学概論および特殊講義を開講するとともに、大学院部局横断型教育プログラム「デジタル・ヒューマニティーズ」(https://dh.l.u-tokyo.ac.jp/education)の主査を務めてコア科目を提供し、東大全学へも貢献している。さらに日本における人文情報学(デジタルヒューマニティーズ)の構築(http://www.jadh.org/)、国際学会連合との関係形成(http://www.adho.org/)を通して、日本の人文学の国際的な地位向上に大きな役割を果たしている。
研究においては、アジアに伝承された仏教の壮大な知識体系である大蔵経のデジタルテキストコーパスを基盤としつつ、京都大学人文科学研究所、国立情報学研究所、アメリカ、ドイツ等の諸大学研究所で構築された諸知識基盤と構造内的に連携し(http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/ddb-bdk-sat2.php)、文字資料による世界最先端のデジタル知識基盤のモデルを提供している。