多分野交流プロジェクト研究は、1995年4月に大学院が改組され、いわゆる「大学院重点化」が行なわれた際に、その改革の中核的な位置を占めるものの一つとして発足した。すでに1993年度より部分的に試行されてはきたが、1995年度の正式な発足により、本プロジェクトは人文社会系研究科の専任教員に加え、15名の客員教員(併任教授5名、連携教授・助教授10名)の参加を得て、本格的にスタートした。
発足に際しては、<人間と価値>、<歴史と地域>、<創造と発信>、<社会と環境>という4つの大テーマが立てられた。そして、それぞれのグループの主査のもとに、多くの人文社会系研究科所属教員と複数の客員教員(1プロジェクト平均3~4名)が集まって共同研究の態勢を整え、博士課程の大学院生の参加を得て、共同研究が進められてきた。なお2006年度からは、修士課程での履修も認めている。

1999年度からは、発足当初の4つの基本的なテーマに限らず、様々なテーマに柔軟に対応することによって、本プロジェクトの持つ潜在的な可能性をさらに追求することになった。この年に設けられた<情報と文化:文化資源と人文社会学>は、新設を計画していた「文化資源学」専攻を準備するためのプロジェクトであり、院生のほかに、文化資源学ワーキング・グループ全員と、本学以外の諸文化機関の専門家が参加した。また2002年度の「人間の尊厳、生命の倫理を問う」は、同年新設の「応用倫理教育プログラム」の一環をなす演習としても認定された。このように多分野交流プロジェクト研究は、人文社会系における新しい研究領域を開拓していくための重要な役割を担う側面も持つ。

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