『カリフ宮廷の儀礼』日本語訳注 |
著 者 に つい て |
著者 Abu al-Husayn(or al-Hasan) Hilal b. al-Muhassin b. Abi Ishaq Ibrahim al-Sabi' al-Harrani は、359/970年にバグダードで生まれ同地で育つ。彼の属した Banu Zahrun はサービ教徒の家系であったが、5/11世紀初頭にイスラームへ改宗したようである。諸史料の伝えるところによると、ヒラールは399/1008,09年から403/1012,13年にかけて、夢の中に現れた預言者ムハンマドの命じるままにイスラームを受け入れるに至ったという。
ヒラールは、アッバース朝の文書庁(diwan al-insha')の長官であった祖父アブー・イスハークの下で働き、その後ブワイフ朝大アミール Baha' al-dawla, Sultan al-dawla のワズィールであった Fakhr al-mulk Abu Ghalib Muhammad b. `Ali b. Khalaf に書記として仕えた。このような中央政府での勤務経験が、『カリフ宮廷の儀礼』を記す上で大いに役立ったと思われる。
彼の著作としては、本書の他に『宰相の書』、叔父 Thabit b. Sinan の歴史書の続編など数点が知られている。448/1056年没。
*以上の記述に当たっては、活字本テキストの前書き5-39ページを参照した。
日本語訳注 目次 |
*以下では、活字本テキストのページ数を表示しています。
序
凡 例 |
訳注掲載の手順など
・毎回の研究会(輪読会)では、担当者が報告する日本語訳注をよりよいものにすべく、参加者が情報を交換し議論を重ねています。担当者は研究会当日の成果を踏まえて訳注の改訂版を作成し、編集担当者(現在は谷口)にテキストファイルを提出することが義務づけられています。
・各担当者から提出された訳注テキストファイルは、原則として内容を変更することなく公開しています。したがって訳語や文体の不統一が見られる部分もあります。作品全体を読み終えた後、訳語や文体の統一を検討する予定です。
用語の転写・表記
・アラビア語などの固有名詞や用語のローマ字転写に際しては、ラテン文字に無い記号は省いてあります。
・アラビア語語彙などのカタカナ表記については、原則として『イスラム事典』(平凡社、1982年)に従いますが、以下の点が異なっています。
・( ) 直前の語の説明。ローマ字転写。
・〔 〕 1.翻訳上補った語句のうち特に表示すべきもの。2.テキストと英訳のページ。
・[ ] 典拠となる引用箇所。
・< > 直接引用文の範囲。ただし、長い引用は1行空けて始めることによって示す。
・「 」 会話文の範囲。ただし、長い引用は1行空けて始めることによって示す。
・── ── 祈願文など挿入句。
略 号(一部のみ掲載)
・txt.:活字本テキスト。
・tr.:英訳本。
・ms.:写本。
・EI2:Encyclopaedia of
Islam, New Edition. Vols. 1-10+. 1960-, Leiden.
・GAL:Brockelmann, C.
Geschichte der arabischen Litteratur. 5 vols. Leiden, 1937-1949.
・NID:Bosworth, Clifford Edmund. The New Islamic Dynasties. Edinburgh,
1996.
・Vizirat:Sourdel, Dominique. Le vizirat `Abbaside de 749 a 936.
2 vols. Damas, 1959-60.
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