#018 文 聖姫さん
マイノリティのわたしを生きる
私は1961年に日本で生まれた在日コリアンです。父が在日一世、母が在日二世なので、自分では二・五世ですと言っていますが、北朝鮮や韓国で暮らしたことはなく、完全に日本語ネイティブです。小学校から高校まで朝鮮学校に通い、青山学院大学経済学部経済学科(第二部)卒業後、1986年に朝鮮総聨の機関紙『朝鮮新報』の記者となり、主に韓国・北朝鮮関係の記事を担当しました。2002年9月17日、平壤での金正日・小泉純一郎氏による日朝首脳会談で日本人拉致を北朝鮮が認めたことは、それまでの北朝鮮の「拉致はしていない」という主張をそのまま記事にして伝えてきた私にとって衝撃でした。「拉致は捏造」と書いてきた記者として責任を痛感し、やめるしかないと考えるようになり、2006年に母の看病に専念することを理由に12月20日の45歳の誕生日に退職しました。