考古学研究室と常呂実習施設が北海道北見市の栄浦第二遺跡を発掘した際に出土した遺物である。古代の環オホーツク海南岸地域に展開した「オホーツク文化」(8~9世紀)の人々が所有していたもので、大陸のアムール川や松花江の流域に当時存在していた靺鞨系の文化に類例があり、そこからの移入品と考えられる。オホーツク文化の人々は、アムール流域からサハリンに至るルートを通じて、装飾具や武具などの金属製品、カラフトブタ等の家畜など、様々な大陸系の文物を入手していた。この青銅製帯飾は希少な威信材として北海道内のいくつかの集団に限定的に配布されたものと考えられており、当時の交流や社会を知る上で重要な資料である(高4.9cm)。