高校生のためのオープンキャンパス2019 文学部企画

東京大学全学で開催される今年度のオープンキャンパスにて、文学部は8月8日(木)に、研究室見学ツアー、模擬講義、教員著書展示、個別相談コーナーの4つの企画で高校生・受験生の皆さんをお待ちしています。

研究室見学ツアー

集合場所:法文2号館1階 学生ホール

  • 見学コースは下記4つのコースです。ツアーは計2回行います(同一のツアーの繰り返しです)。所要時間は移動等含め、60分程度です。
  • 15名程度のグループに分かれ、教員や学生の案内により見学していただきます。
  • 事前予約にて参加申込みされた方のみご参加いただけます。参加者はツアー開始の15分前までに、法文2号館1階の学生ホールに集合してください。
  • 企画開始時間の5分前を過ぎても受付に来られない場合、キャンセル扱いとなりますのでご注意ください。

見学ツアー・タイムテーブル

  • 第1回 11:00~12:00(受付10:45~)
  • 第2回 13:30~14:30(受付13:15~) (※各回2ツアー)
ツアーA 日本史学 → 現代文芸論
ツアーB 倫理学 → 社会学

見学内容

* 日本史学研究室

日本史学研究室は、文字によって記された史料のほか、遺構から出土する木簡や各地に遺る石碑などの資料を用い、日本列島とそれをとりまく周辺地域に展開されてきた歴史を研究し、学ぶ場です。本研究室には、古代・中世・近世・近代といった時代ごとの、政治・経済・社会・外交などの広範な領域に深く通じたスタッフが揃っています。研究室ツアーの当日には、貴重書庫に保管されている中近世期の原文書をお見せしつつ、当該史料が作成された時代背景やそこに登場する人物や社会のあり方について、本物の研究者がいかなる目の動かし方をしてその「文書」が秘めた内容に迫っていくのか、その迫力をお見せできるはずです。

* 現代文芸論研究室

現代文芸論研究室は現代的な視点から文学を研究する研究室です。従来の「○○文学」というくくりが150年ばかり前に隆盛をみた「国民文学」の概念に立脚するものだとするなら、現代文芸論の立場は現在のグローバル化の時代に対応するものだと言っていいでしょう。広域の言語文化圏、移民、翻訳などを前提とした文学研究の場です。したがって、学生たちの興味関心は多岐にわたります。そうした多様な学生たちが理論的関心を共有しながら切磋琢磨して独自の研究を続けている場所です。また、外国からの留学生が多いのも現代文芸論研究室の特徴です。

* 倫理学研究室

皆さんは、「和辻哲郎」という名前を聞いたことがありますか。私たちの研究室の基礎を築き上げたのが、近代日本の代表的な哲学者と言われる和辻哲郎です。和辻の定めた、西洋思想と東洋思想、とりわけ日本思想との比較・統合および規範学としての倫理学と事実の学としての諸学の総合という研究の方向性は、今でも私たちの研究室の基礎です。さらに、昨今は、行為の善悪や人間関係の理法の探求などの伝統的な倫理学の課題に加えて、現代社会の喫緊の問題群についても活発に原理的研究が行われています。研究室ツアーでは、具体的にはどのような研究をしているのか、研究室で学生たちはどのような生活を送っているのか、その一端をご紹介いたしたいと思います。 

* 社会学研究室

私たちが生きている「社会」の中には、「よく考えてみたら、なぜそうなっているのかわからないこと」がたくさんあります。なぜ貧富の差はなくならないのか。なぜ性的マイノリティ(ゲイやトランスジェンダーなど)の人たちは差別されるのか。なぜどこの街も似た景観になっているのか…。人間関係、家庭、学校、会社、地域、国など、様々な「社会」で起きている現象を研究しているのが社会学研究室です。ツアーでは、研究室の学生が、社会現象の分析の仕方や、社会学研究室のこれまでの研究について、紹介します。

模擬講義

受付場所:法文2号館2階 1番大教室入口

  • 会場は法文2号館2階の1番大教室(定員200名)です。1番大教室隣の2番大教室(定員150名)で中継も行います。
  • 10:00、12:30、15:00の3回にわたり、それぞれ異なった分野を専門とする文学部教員3名が模擬講義を行います。模擬講義に先立って、文学部長の挨拶があります。
  • 受付は講義開始の30分前(模擬講義①は、15分前)に行い、先着順に入場していただきます。受付開始時間に直接受付場所までお越しください。
  • 本会場(1番大教室)が定員に達した後は、中継会場(2番大教室)をご案内します。

模擬講義時間割

10:00~10:45

模擬講義① 清末中国人の見た明治日本

 吉澤 誠一郎教授(東洋史学)

現在の日本には多くの中国人が留学や旅行のために来ています。実は、明治時代にも中国から日本への留学・視察ブームがありました。彼らは当時の日本に何を見出そうとしたのか、考えてみましょう。


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12:30~13:15

模擬講義② 物語の形:聞こえるものと見えるもの

楯岡 求美 准教授(スラヴ語スラヴ文学)

小説を読んだり、ドラマや映画を観たり、私たちの身の回りにはいつもあたりまえのように物語があります。言葉を使わない絵画に物語を読み取ることもあります。私たちはどのように物語を感じているのか、見逃しがちなものはないか、考えてみましょう。


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15:00~15:45

模擬講義③ 「図像学入門 -美術作品の「読み方」」

秋山 聰教授(美術史学)

近代以前、絵や彫刻は単なる芸術作品ではありませんでした。教育/教化や宗教的/政治的コミュニケーションなどの重要な手段でもあったのです。主に西洋の伝統美術の例を取り上げながら、昔の人々が絵や彫刻をどのように「読み解いて」いたのか、についてお話しします。


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教員著書展示

  • 法文2号館1階の三友館で、文学部教員の著書を展示します。
  • 予約は不要、自由に入場いただけます。ただし予想を超える大人数となった場合には、入場をお待ちいただくことがあります。あらかじめご了承ください。
  • 保護者の方にもご入場いただけます。

個別相談コーナー

  • 法文2号館1階の三友館で、文学部や大学院人文社会系研究科の現役学生が、皆さんからの質問や学習相談等にお答えします。
  • 予約は不要、自由に入場いただけます。ただし予想を超える大人数となった場合には、入場をお待ちいただくことがあります。あらかじめご了承ください。
  • 保護者の同席は可能ですが、保護者のみでの参加はできません。

参加をご希望の方へ

  • 東京大学のオープンキャンパスは、高校生・大学受験生の皆さんならどなたでも参加できますが、事前に参加登録が必要です。 加えて、文学部の一部企画(研究室ツアー)への参加には、「定員制企画への事前申込み」が別途必要となります。詳しくは、東大オープンキャンパス企画ウェブページを参照してください。
  • 法文2号館への行き方は案内図でご確認ください。