人文社会系研究科・文学部の下田正弘教授が、4月22日、タイ国議会(衆議院)より「仏教功労賞・最高賞」を

授賞されました。この賞は、仏教の研究ならびに仏教の活動に長期にわたり顕著な功績があった個人や団体に対し、

タイ国議会「宗教・芸術・文化委員会」が選定し、国会議長と仏教長老会議長とが授与するものです。

 下田教授の場合には、初期仏教の聖典についての文献学的研究、および漢語大蔵経についての研究成果が、

世界の仏教研究に多大な貢献をなし、未来の仏教研究の新たな道を切り開いたことが受賞理由となっています。

前者については、これまで注目されたことのない初期仏教と大乗仏教の歴史的連続性を文献的に明らかにしたこと、

後者については、『大正新脩大蔵経』の電子化を完成し、パーリ語大蔵経と一体として利用しうる研究の基盤を

完成したことが評価されました。これらの業績は、北伝と南伝という過去に分岐した二つの仏教の歴史を、ふたたび

一つの場にもたらす大きな意味があります。