次世代人文学開発センター

 所属教員:  小佐野 重利 / 小島 毅 /向井 留実子/ 松村 一登 / 古井戸 秀夫  / 水島 司 / 下田 正弘 /チャールズ・ミュラー
連絡先: TEL.先端構想部門 03-5841-1589、 萌芽部門 03-5841-2687

 

 

  文学部各専修課程研究室や講座を超えて新しい研究を展開するため、1966年に文学部附設施設として創設された文化交流研究施設が前身であり、改組されて2005年より現在の名称となった。センターは人文社会系研究科・文学部に所属し(センター長は研究科・文学部長)、研究を主体とした活動を行なう。したがって、センターに所属する学生はいない。



○ 先端構想部門
 「文化交流」(小佐野 重利)
 「東アジア海域交流」(小島 毅)
 「日本語教育」(向井 留実子)

○ 創成部門
 「人文情報学」(下田 正弘)

○ 萌芽部門
 「演劇学」(古井戸 秀夫)
 「現代インド研究」(水島 司)


先端構想部門
 <文化交流>
 旧文化交流研究施設「基礎理論部門」の活動理念を発展的に受け継ぎ、複数の専門領域にわたる研究、複数の地域文化を対象にする研究、あるいは諸地域間の文化交流の研究など、特に領域横断的で、国際的な研究を行ない、かつ、それを公開発信していくことを目的とする。 

  イタリア美術史の小佐野重利教授が担当している。以前在籍した教員としては、日本文学の吉田精一教授、美術史学の秋山光和教授、チベット語・チベット史の山口瑞鳳教授、美術史・考古学の青柳正規教授らがいた。


 教育面では学部の「文化交流特殊講義」と「文化交流演習」として、ギリシア・ヘレニズム時代の広い地域に及ぶ造形文化や、ルネサンス期のアルプス南北間の文化交流に関する講義や演習などを大学院・学部学生に開講しているほか、外国人研究者による講演会やシンポジウムを開催して、古代ローマ考古遺跡に関する最新の発掘成果や造形資料の電子化媒体による公開のための研究プロジェクトなどを公開し、人文学の最先端研究を発信している。


 また、文学部の専任教職員によるファカルティディベロップメント活動として、文化交流研究懇談会と文化交流茶話会を主催・運営している。前者は定年退職教員、後者は原則として新任教員による研究発表で、互いの研究内容を知る機会を提供している。なお、前者についてはその一部をウェブ上で公開している。

 

戸川 芳郎 教授 第122回文化交流研究懇談会「経史について」(平成3年12月18日)

 

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<東アジア海域交流>
 

  中国思想文化学の小島毅教授が担当する。2006年に大規模共同研究の本部として設置された。研究事業は2011年に終了したが、その成果を活用して文学部の「文化交流特殊講義」を開講して学生への教育に貢献している。現在は2009年に始まった総長裁量経費プロジェクト「サステイナビリティと人文知」の本部としても活動している。

http://www.sus-humanities.l.u-tokyo.ac.jp

 

 <日本語教育>

  2014年7月より、日本語アカデミックライティングを中心とした日本語教育を担当する教員として、向井留実子教授が着任した。外国人の正規大学院生をはじめとする留学生に対する日本語教育のメソッド研究とその教育上の実践を課題としている。

 

創成部門

 <人文情報学拠点>
http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/DHI/

 創成部門は平成17年に「死生学拠点」が設置されることによって発足した。研究拠点形成プログラムCOEおよびその後継プログラムGCOEの活動を通して大きく発展した死生学は、関係するプロジェクトや寄附講座を統合しつつ、平成24年に死生学・応用倫理センターとして本部門から独立した(http://www.l.u-tokyo.ac.jp/dalspe/)。

その後、創成部門には、平成25年に「人文情報学拠点」があらたに設置された。デジタル化技術の革新とウェブシステムの急速な発展は人文社会学における知の保存形態と発信の方法とを大きく変革し、大学、図書館、博物館等に個別に所蔵される知を、広大な一つの地平へと開き出しつつある。過去から継承される多様で膨大な文化資源に立脚する人文社会学の領域にとって、この変化にいかに対応しうるかは、学問の将来を決める重要な課題である。

本拠点は、この課題に対応し次世代人文社会学に備えるべく、平成20年に設置された萌芽部門「データベース拠点・大蔵経」(http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/CEH/)の5年間の活動を踏まえ、拡充改組されて本部門に移された。現在、拠点は、下田正弘教授(拠点長)、チャールズ・ミュラー教授の2人の専任教員に加え、長島弘明教授(日本文学)、武川正吾教授(社会学)、小林正人准教授(言語学)、高岸輝准教授(美術史学)、高橋典幸准教授(日本史学)、中村雄祐准教授(文化資源学)の兼担教員の8名の教員によって構成されている。

教育としては、研究科内で人文情報学概論および特殊講義を開講するとともに、大学院部局横断型教育プログラム「デジタル・ヒューマニティーズ」(http://dh.iii.u-tokyo.ac.jp/)の主査を務めてコア科目を提供し、東大全学へも貢献している。さらに日本における人文情報学(デジタルヒューマニティーズ)の構築(http://www.jadh.org/)、国際学会連合との関係形成(http://www.adho.org/)を通して、日本の人文学の国際的な地位向上に大きな役割を果たしている。

研究においては、アジアに伝承された仏教の壮大な知識体系である大蔵経のデジタルテキストコーパスを基盤としつつ、京都大学人文科学研究所、国立情報学研究所、アメリカ、ドイツ等の諸大学研究所で構築された諸知識基盤と構造内的に連携し(http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/ddb-bdk-sat2.php)、文字資料による世界最先端のデジタル知識基盤のモデルを提供している(http://www.jsps.go.jp/seika/2013/vol3_001.html)。

 

 

 

萌芽部門

 <演劇学>
 2006年4月の開設。演劇学・舞踊学の確立を目的とする。哲学(美学)・文学(国文学)・歴史学(日本史)を中心に展開されてきた研究の成果を基盤として、演劇学・舞踊学という新しい研究分野をどのようにして構想するかを課題とする。
 教育面では、大学院人文社会系研究科文化資源学専攻に講座を持ち、日本の演劇・舞踊は、形態資料・文字資料として、いかなる文化的価値を持つのか、その特色はどこにあるのか、ということを究明する。文学部では、啓蒙的な講座「芸能特論(日本演劇の歴史)」を開設。

 

 <イスラーム地域研究>


http://www.l.u-tokyo.ac.jp/tokyo-ias/index.htm


 2006年6月、大学共同利用法人人間文化研究機構と東京大学との研究協力協定により、イスラーム地域研究を総合的に推進するための共同研究拠点として創設された。この「イスラーム地域研究部門」は、早稲田大学、上智大学、京都大学、財団法人東洋文庫に設置された研究拠点とともにイスラーム地域研究ネットワークを形成しつつ、2006-2010年度の5年計画で「思想と政治の動態:比較と連関」をテーマとする研究を展開してきた。2011年度からは第2期5カ年計画が始動し、「近現代中東・中央ユーラシアの思想と政治」という課題のもと研究を推進している。この間、内外の研究者による共同研究を行うとともに、日本学術振興会特別研究員などの若手研究者をセンター研究員として受け入れている。

 本部門は、中東と中央ユーラシアを主要な研究対象とし、近現代における思想と政治の相互関係を比較と連関の視点から実証的に研究することを目的とする。

 具体的には以下の3つのテーマを掲げている。第一は「パレスチナ問題」であり、オスロ合意体制の再検討を当面の課題として国内の研究者の組織化を進め、将来におけるパレスチナ研究の内外の結節点となる組織の基盤作りを目標とする。第二は「中東・イスラーム諸国の民主化」であり、中東、中央ユーラシアや南・東南アジアのイスラーム諸国の民主化の展開を検討する。第三は「近現代における政治・社会思想の形成と動態」であり、とくに中央ユーラシア地域に重点を置き、オスマン帝国やその後の中東諸国における政治社会思想の展開との比較や連関を見いだす手法によって研究する。

 このように中東・中央ユーラシアにおける思想と政治の動態を総合的に検討することにより、現代イスラーム世界をその深部から理解することをめざしている。

  本センターのイスラーム地域研究は2015年度をもって活動を修了した。

 

 <現代インド研究>
http://www.l.u-tokyo.ac.jp/~tindas/
 2010年4月より、人間文化研究機構「現代インド地域研究」推進事業が開始され、人間文化研究機構との共同で、京都大学、東京大学、広島大学、東京外国語大学、国立民族学博物館、龍谷大学に設置される6拠点を結んで、現代インドに関するネットワーク型の共同研究を推進している。

  本事業は現代インドの動態を全体的にとらえるとともに、将来を展望できるような学術的な視角と方法論を確立し、国内はもちろん国際的な連携研究も行う組織体制と学術環境を整えることを目的としている。
 近い将来、世界一の人口を有することが予想されるインドは、経済格差、宗教対立、言語問題、地域主義などの問題を抱えながらも、それらを包摂しながら高度な成長を遂げつつある。1960年代からの緑の革命、1990年代からの経済開放政策への移行は、いずれも現在に至るまでインド経済の発展を導き、その社会を大きく変化させてきた。その中で、貧困・格差という経済的問題だけでなく、汚染や廃棄物問題などの環境問題も生まれてきている。他方、21世紀の世界で、インドはその動向を左右する大きな要因となるであろうとも予測されている。
 東京大学拠点は、このようなさまざまな問題と可能性をもつインドを対象にして、経済発展と環境変動という側面から、現代インドを長期的変動の中に位置づけ、現在生じている様々なイシューの解決法を探り出し、将来への知を蓄積することを目的としている。
 この目的に資するべく、具体的にはインドの経済と環境に関する基本的な資料や文献を収集・蓄積し、データベースを構築する作業が進められ、それらをもとに、インド経済・環境の長期的な動向分析がなされている。また、分析の基盤として、GIS(地理情報システム)が重視されており、India Place Finder(http://india.csis.u-tokyo.ac.jp/)やGlobal Place Finder(http://newspat.csis.u-tokyo.ac.jp/gpf/)などの地名検索システムも整備され、ウェッブ上で一般に提供されている。
 研究組織としては、賃金、雇用、価格、農業、製造業、サービス業、投資、エネルギー、金融、情報、消費、中間層などの問題を扱う「インド経済の動向と社会開発」ユニットと、土地被覆、土地利用、土地開発、農村生活環境、都市生活環境、交通システム、廃棄物処理、気候変動、水収支、灌漑、人口、汚染等の問題を扱う「環境変動とインド社会」ユニットの二つのユニットをもち、活発な研究会活動や、国内集会、国際会議などの運営がなされている。

 



 


 

研究室ホームページ:
「現代インド地域研究」東京大学拠点
データベース拠点・大蔵経