明治10年(1877)に、東京大学は、文学部・法学部・理学部・医学部の4学部で誕生しました。この時点で、文学部は、史学・哲学及政治学科と和漢文学科から成り立っていました。間もなく政治学科は法学部へと移されますから、文学部は歴史・哲学・文学を学ぶ場として歴史を歩み始めたことになります。

文学部の「文」とは、まずは文字であり、文字で書かれた文章・文献・書物の総体を指しました。人間はことばを持ち、それを文字で記し、伝え、文化を生み出してきました。文学部とは、何よりもまず、人間について考える場にほかなりません。

それから130余年の間に、文学部の教育研究領域は拡大し、文字以外の文化を視野に収める考古学、美術史学、音楽学、心理学、社会学などをも加え、今日では27の専修課程を擁するに至りました。

この専修課程が文学部における基本的な単位で、しばしば研究室と呼ばれます。それぞれの学問領域も伝統も気風も大きく異なりますが、その独自性は可能なかぎり尊重されてきました。したがって、文学部は27の専修課程に分かれているというより、27の専修課程が集まって文学部を構成しているといったほうが適当かもしれません。専修課程は教員(教授、准教授、助教、外国人教師)と学生(大学院生、学部学生、研究生)によって構成されます。このホームページでも研究室という名前で、その教育研究活動を紹介することにします。