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言語学研究室の歴史は明治時代にさかのぼる。 明治19(1886)年に「東京大学」が「帝国大学」と名前を改めて発足したとき、「文科大学」にそれまでの「哲学科」・「和文学科」・「漢文学科」に加えて第四の学科として「博言学科」が加えられたのが、日本における言語学教育の始まりである。 ついで明治33(1900)年、「博言学科」は「言語学科」と名前を改めた。明治時代以来、チュルク・モンゴルなどのアルタイ諸語とアイヌ語や琉球語諸方言、日本語諸方言を含む日本とその周辺の諸言語(中国・韓国・ヴェトナム・台湾原住民語など)を専門とする教授陣が続いたが、他方でインド・ヨーロッパ語比較言語学やアフリカ諸語、そして意味論の専門家も擁していた。

現在のスタッフは、認知言語学や意味論、文法一般を専門とする西村義樹教授、インド・ヨーロッパ語族などの比較言語学と音韻論を専門とする小林正人准教授、言語類型論とオーストロネシア諸語を専門とする長屋尚典准教授、チベット・ビルマ諸語と地理言語学を専門とする白井聡子専任講師だが、学生・大学院生の専攻する分野はこれらに限られず、自由に選ぶことができる(大学院生の研究テーマについては、当研究室のwebページで「大学院生の業績」を参照)。 当研究室で扱う分野は、音韻、音声、統語法、形態論、意味論、比較言語学(印欧語学など歴史言語学)、社会言語学、コーパス研究、手話研究、フィールド言語学、古代言語の解読などである。 これらの、もしくは他のどのような分野を選択するにせよ、学部の間に必修の『言語学概論』、『音声学』、『比較言語学』でしっかりとした基礎を身につけることが必要である。 研究対象となる言語は、日本語・英語・中国語・韓国朝鮮語などの比較的身近な言語から、これらの言語の方言、そしてアジア・アフリカ・南北アメリカ・太平洋地域の、ほとんどその名を聞いたことのないような、そして、今まで誰も研究を試みたことのないような言語、さらにはまた、最後の話し手がごく少数残っているだけで、まさに消滅寸前の状態にあるといえるような言語まで含み、また、古代の言語のようにある程度の資料を残したまま既に消滅してしまった言語も対象となる。 その際に、個別言語の分析でも、あるいは一般的な言語理論を扱う場合にも、一次資料・データに基づいて実証的な議論を展開することが基本である。 データの分析には学生室の Windows, Mac, Linux のコンピュータを使用できるほか、スクリプティングによる分析法の指導を受けることもできる。

学部卒業生の進路の割合は毎年変動するが、最近は約3分の1が大学院進学を目指し、残りが社会に出る道を選んでいる。 就職先は、公務員・放送・出版・一般の商社など、どの学科にも共通する分野に加えて、翻訳や情報技術関係の会社のように、言語学と関係する業種も見られる。 大学院に進学した学生の中には、それぞれの選んだ言語の研究や言語学の特定の分野の研究のために、外国留学する者も毎年出ている。