開催日 2020年3月5日

開催中止のお知らせ

3月5日(木)に予定しておりました下記のコロキウムは、新型コロナウィルスの状況を鑑み、中止とすることを決定いたしました。
参加をご予定されていた皆様におかれましては、申し訳ございません。

ご理解のほどよろしくお願いいたします。

 


日時: 3月5日(木) 16:00 ~ 17:30 中止】

場所: 東京大学本郷キャンパス 法文2号館 1番大教室 (http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_01_02_j.html

 

講師: 小林 哲郎香港城市大学・准教授)

演題: 党派的な選択的接触の境界条件

概要: 党派的な選択的接触はアメリカを中心とする政治コミュニケーション研究では繰り返し報告されており、オンラインエコーチェンバーや政治的極性化の一因として考えられている。しかし、アメリカ以外の文脈では党派的な選択的接触は必ずしも強く見られていない。本報告は、国際比較とアイデンティティという2つの切り口から、党派的な選択的接触の境界条件を明らかにすることを目的とした一連の研究を紹介する。まず、擬似オンラインニュースサイトを用いてアメリカ、日本、香港で行われた国際比較研究では、アメリカでは選択的接触が強く見られるのに対して、香港では比較的弱く、日本では見られないことを示す。次に、香港における一連の研究から、香港人という単一アイデンティティを持つ人は選択的接触を示すのに対して、香港人と中国人のデュアルアイデンティティを持つ人の間では選択的接触は見られないことを示す。さらにこのアイデンティティによる差異は政治的なソーシャルメディア利用が態度と感情の極性化に及ぼす効果を調整しており、デュアルアイデンティティを持つ人はソーシャルメディアを政治コミュニケーションに利用するほど、政治的態度や感情が「非極性化」することを示す。これらの一連の研究を通して、アメリカにおける研究の強い影響を受けて「定見」となりつつある党派的な選択的接触の普遍性について議論したい。

 

言語: 日本語


◆当研究室HPのイベントページ: http://www.utokyo-socpsy.com/events.html 

◆問い合わせ先
東京大学大学院人文社会系研究科 社会心理学研究室
E-mail: sphisho [at] L.u-tokyo.ac.jp