開催日 | 2016年4月25日 |
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文学部心理学研究室では,第32回心理学研究室セミナーとして以下のような講演会を開催しますので,ふるってご参加下さい。なお,講演内容は大学院生以上を想定しております。
第32回心理学研究室セミナー
日時 2016年 4月25日 午後5時から
場所 法文1号館1階112教室
【講師】 鈴木 敦命 (名古屋大学)
【演題】 「人間による信頼性判断の特徴・バイアス」
【要旨】
人間は,外見,評判,実際の行動など,様々な手がかりから他者がどの程度信頼できるか,あるいは信頼できないかを判断します。本発表では,人間の信頼性判断をめぐる下記のような疑問を検討した私の最近の研究を中心にお話しさせていただきます。
(1) 人間は他者の信頼性をその顔を見て即座に,自動的に判断する傾向があります。このような信頼性の“知覚”は当てになるものなのでしょうか。また,そうした知覚の源は何なのでしょうか。
(2) 人間は他者の信頼性を第三者からの情報(評判)を通じて学習できます。しかし,評判はしばしば歪めて伝えられます。人間は学習した評判が不当なものだとわかった時に,それを無視して他者の信頼性を判断し直すことができるのでしょうか。また,もしそれが困難だとすると,なぜなのでしょうか。
(3) 現実社会では,他人を欺こうとする人は信頼できそうな外見を装うかもしれません。そうした人に騙されないためには,外見ではなく,実際の行動から信頼性を判断する必要があります。高齢者の詐欺被害が社会問題になっていますが,こうした信頼性判断に加齢は影響するのでしょうか。
雑駁ではありますが,以上のような疑問を扱った研究の紹介を通じて,人間による信頼性判断の特徴・バイアスについて関心をもっていただければ幸いです。