
	
	総合図書館に所蔵されるサンスクリット写本コレクションは、二人の仏教学者による収集を基盤としている。すなわち、東京帝国大学教授を務めた高楠順次郎(1866–1945)がネパールで収集した180点の写本と、仏教学者でありチベット探検家でもあった河口慧海(1866–1945)がネパールおよびチベットで蒐集した390点の仏教写本である。両者を合わせた総数570点の写本は、1915年に文学部梵文学研究室に納められた。
	その後、関東大震災の折に一部が焼失したものの、518点が残され、1923年に現総合図書館の完成にあわせて防火室に移され、今日まで保管されている。1965年には松濤誠廉編の目録が刊行され、このコレクションは国内外の研究者から一層の注目を集めるようになり、以後、貴重な一次資料として広く研究に供されてきた。
	さらに、2020年から3年をかけて高精細カメラによる撮影とデータ化が行われ、現在では以下のウェブサイトを通じて公開されている。
	総合図書館サンスクリット写本コレクション
	東京大学貴重書展(2001年):https://www.