開催日 2022年5月14日

東京大学文学部・大学院人文社会系研究科は、半世紀にわたって北海道北見市常呂町と地域連携協定を結び、「北海文化研究常呂実習施設」を基盤に、北東アジア考古学を中心とした研究や、博物館学実習等や展示による資料の公開、市民向け公開講座等地域に根差した教育活動を推進して参りました。さらに昨年からは、和歌山県熊野地方の中核都市新宮市とも地域連携協定を結び、「新宮分室」を設置、人文学の応用・活用による地域の文化振興に、院生・留学生研修+若手フォーラム、教職員研修、東大人文・熊野フォーラム等を通じて、寄与する試みにも取り組んでいます。

今回の東大人文・熊野フォーラムでは、常呂と熊野という、一見何の関わりもなさそうな二つの地域を取り上げます。両地域について、人文学的観点から幾つかの共通トピックを抽出し、議論することで、例えば海上交通における関係性、通底する文化の特徴などが浮かび上がる可能性があろうかと思います。我が国には、文化や自然に恵まれながらも、少子高齢化や人口流出・過疎化等に苦悩する地域が少なくありません。そうした地域間に、人文学の叡智を傾注し、共通の人文学的課題を見出し、多少とも双方の文化振興に資することが出来ればと考えています。

想像力に富んだ造形物が数多く出土する古代オホーツク文化等の考古遺跡を数多く抱え、本学と連携して教育研究活動を展開されてきた北見市(旧常呂町)と、「熊野学」を地域振興の核に据えて20年以上活動して来られた新宮市との間には、人文学からみると、比較に値するトピックや事象がいろいろと見いだせるように思われます。人文学の応用・活用を通じて、異なる地域を繋ぐことにより、相互に文化的に活性化する新たな道を見出し、将来的には国内外地域連携ネットワークのようなものが構築できればと願います。

 

視聴をご希望の方は、最下部に掲載されているグーグル・フォームからお申込みください。
Zoomによるオンライン配信でもご視聴頂けます。

プログラム

日時:2022年5月14日(土)13:00~18:00(終了予定)

会場:新宮市文化複合施設(丹鶴ホール)1F文化ホール(和歌山県新宮市下本町2-2-1)

形式:オンサイト+オンライン同時配信

主催:東京大学大学院人文社会系研究科・文学部、新宮市

共催:国際熊野学会、熊野歴史研究会

13:00
開会
開会挨拶  辻直孝(北見市長)田岡実千年(新宮市長)
趣旨説明  秋山聰(東京大学教授/人文社会系研究科長)
13:15~14:00
基調講演
大西克也(東京大学教授/人文社会系研究科前研究科長)「熊野の牛玉宝印と呉越の鳥書」
14:10~16:10
研究報告
熊木俊朗(東京大学教授)「なぜ常呂に東大が?常呂実習施設のあゆみと地域連携」
高橋健(横浜ユーラシア文化館学芸員)「オホーツク文化の動物意匠遺物」
櫻井敬人(太地町歴史資料室学芸員)「五色爛然の鯨船:江戸期熊野の鯨船意匠」
山本殖生(国際熊野学会代表委員)「異界の熊野に潜む神使動物伝承―大熊と八咫烏の霊性を中心に―」
土肥秀行(東京大学准教授)「熊をめぐる幻想―熊野、常呂、イタリアほか」
16:30~18:00(終了予定)
ディスカッション
コメンテーター:松﨑照明(東京家政学院大学客員教授)
司会進行:太田泉フロランス(東京大学助教)

参加申込方法

申込先 東京大学大学院人文社会系研究科・文学部
申込方法 本ページの下部に掲載されたグーグル・フォームに必要事項を記入し、送信してください。なお新宮市でのオンサイトの参加をご希望の場合は、問い合わせ先E-mailアドレスまでご連絡ください。

※ZoomのURLは、5月13日(金)にお届けする予定です。13日中にメールが届かない場合はご連絡ください。なお、オンライン参加者数が上限数(300名)に達した場合は、先着順となります。
申込期限 5月13日(金)17:00
問い合わせ先 jinbun.kumapro◆l.u-tokyo.ac.jp(◆は@に変えてください)