開催日 | 2015年1月13日 |
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文学部心理学研究室では,第25回心理学研究室セミナーとして以下のような講演会を開催しますので,ふるってご参加下さい。なお,講演内容は大学院生以上を想定しております。
第25回心理学研究室セミナー
日時:2015年1月13日(火) 午後5時から
場所:法文1号館1階 312教室
【講師】 丸谷 和史先生 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
【演題】 複雑な運動ベクトル場の処理を支える視覚メカニズム
【要旨】
私たちの視覚系は私たちの周りにある複雑で動的な光景を解釈することができる。この動的な光景処理において、そこに含まれる運動ベクトル場の情報処理は大 きな役割を果たしていると考えられている(e.g. Bartels, Zeki & Logothesis, 2008; Durant & Zanker, 2012)。 初期視覚系における運動検出の第一段階は局所的な時空間の範囲で行われる(cf. Adelson & Bergen, 1985)。これらの局所運動信号検出に引き続く運動ベクトル場の処理については、並進、回転、拡大・縮小といった特定のベクトル場パターンを中心に議論 が進められてきた(e.g., Gibson, 1950; Koenderink, 1986; Tanaka & Saito, 1989; Duffy & Wurtz,1991; Graziano, Andersen, & Snowden, 1994; Warren, 2008 )。 その一方で、たとえば液体や揺れる木といった非剛体の物体によって生み出される複雑な運動場は、回転、拡大などの特定の構造を持たない。これらの非特定一般の運動場の処理については、これまでほとんど検討が行われてこなかった。講演者らは、2つの局所運動信号が持つ関係性(同期性)や、より多くの局所運動から構成される運動ベクトル場の処理についていくつかの研究を行っ た。本講演ではこれらの心理物理実験に基づく研究の結果についてデモを交えながら紹介するとともに,複雑な運動光景の処理メカニズムを支えている非特定一 般の運動ベクトル場の視覚処理について議論したい。