開催日 | 2022年6月24日 |
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文学部心理学研究室では、第55回心理学研究室セミナーとして以下のような講演会を開催します。学内者はどなたでも参加いただけます。なお、講演内容は大学院生以上を想定しております。
第55回心理学研究室セミナー(学内者限定)
日時:2022年6月24日(金) 午後5時から
場所:東京大学 法文2号館 2階1番大教室
【講師】 内藤智之先生 (大阪大学)
【演題】 深層学習を用いたヒトの魅力度判定メカニズムの解明
【要旨】
近年の人工知能、特に深層学習の発展はめざましく様々な産業、学術分野において深層学習を用いた研究手法が開発されている。本講演では、敵対的生成ネットワーク(GAN)という深層学習の一種を用いることで、ヒトの対象魅力度判断メカニズムを解明する研究手法について紹介する。GANは実際の写真と区別が困難な程高精度な偽画像を生成するニューラルネットワークである。特定カテゴリ画像、例えば顔や自動車、について十分に学習されたGANの内部には、その画像カテゴリを特徴づける画像特徴が獲得されると共に、画像の持つ意味や概念も同様に内部に獲得される。私の研究で使用するStyleGANでは512次元の潜在ベクトル空間内に、これらの画像特徴と画像に関する概念が表現される。我々はこの潜在ベクトル空間内部にその画像カテゴリにおけるヒトの魅力評価と対応した軸(超平面)が存在することを明らかにし、更に個々人の被験者にとって極めて魅力度が高い潜在ベクトルを短時間で探索する手法を開発した。この手法を用いることで、我々は顔、自動車、絵画画像カテゴリにおいて、1)ヒトはある画像対象の魅力度評定において魅力度の基準となる鋳型(心的テンプレート)を有しており、2)心的テンプレートと対象画像の類似度を計算することで対象の魅力度を判断している可能性を示した。講演の内で、本手法が新たな認知心理学の研究手法として広く利用される可能性について言及する。
(問い合わせ先)心理学研究室 shinri -at- L.u-tokyo.ac.jp (-at-を@に変更)
※※感染拡大予防へのご協力のお願い※※
・37.5°C以上の発熱がある方、体調が優れない方は参加をお控えください。
・マスクの着用、こまめな手洗い、手指の消毒へのご協力をお願いいたします。