開催日 | 2022年5月20日 |
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文学部心理学研究室では、第54回心理学研究室セミナーとして以下のような講演会を開催します。学内者はどなたでも参加いただけます。なお、講演内容は大学院生以上を想定しております。
第54回心理学研究室セミナー(学内者限定)
日時:2022年5月20日(金) 午後5時から
場所:東京大学 法文1号館 1階113教室
【講師】 鈴木啓介先生 (北海道大学)
【演題】 自己身体の経験と認識
【要旨】
自分の身体の経験は、他の物や環境の知覚体験とは異なる。これは経験の主体である「身体としての自己」が持つ特性といえる。身体としての自己の経験は、身体所有感と運動主体感の2つに大別されるが、 身体をもち環境に存在する感覚である、実在感もその一つといえる 。近年、仮想現実技術の急速な発展に後押しされるかたちで、これら自己身体感覚の錯覚を利用した認知神経科学研究が盛んに行われるようになってきている。自己身体知覚の実験では、主観評価とともに、実験参加者のバイアスが入りにくい非明示的測定法がよく使われる。よく知られているのが、身体所有感の客観的な指標とされる「固有感覚のずれ」や運動主体感の指標である「意図性バインディング」である。しかし、これらの非明示的指標がどれほど主観的経験と一致しているかについては結論がでておらず、未だに議論が続いている。本講演では、自ら行ってきた身体所有感、運動主体感の実験結果を紹介しつつ、ある心理現象の「経験」と「認識」のずれや、暗示や催眠などでトップダウンに「作られる」体験の例などから、自己身体知覚の主観体験を計測する難しさを議論したい。最後に、実在感の客観的測定を目指して我々が行った研究から、実在感のような複合的な感覚経験を、なるべくバイアスのないかたちで計測する手法を提案したい。
(問い合わせ先)心理学研究室 shinri -at- L.u-tokyo.ac.jp (-at-を@に変更)
※※感染拡大予防へのご協力のお願い※※
・37.5°C以上の発熱がある方、体調が優れない方は参加をお控えください。
・マスクの着用、こまめな手洗い、手指の消毒へのご協力をお願いいたします。