職名 | 准教授 |
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専修課程 | 倫理学専修課程 |
専門分野 | 倫理学専門分野 |
研究室 | 倫理学研究室 |
詳細情報 | https://researchmap.jp/nakanohirotaka |
西洋近代の知のあり方を内側と外側から変形させる、ということが研究テーマである。内側から、という際には、西洋近代の知の基盤を整備した18世紀後半ドイツのイマヌエル・カントに焦点を当てている。カント哲学の核心部に位置する自己触発論を20世紀哲学と連続性をもつものとして解釈するとともに、その批判哲学の大枠を中世以来の超越範疇に規定されていることを明らかにしている。現在はカントのみならずより広い時代にわたって超越範疇の枠組みが生きている旨を示すべく、トマス、スアレス、ヘーゲル、ハイデガー、アンリ等の代表作を考察している。外側から、という際には、メキシコ留学を機に開始したラテンアメリカと日本における哲学受容の比較研究を指している。両地域における西洋哲学受容過程の平行性や「日本/ラテンアメリカに哲学はあるのか?」という問い自体のもつ意味について考察し、西洋の外で西洋哲学を研究することがもたらす諸問題に向き合っている。近年では、ペルーのケチュア語・アイマラ語圏の先住民文化に伝わる有形無形の知的遺産が哲学に対してもちうる接点を、現地の主体たちとともに模索している。