職名 准教授
専修課程 日本語日本文学専修課程
専門分野 日本語日本文学専門分野
研究室 国文学研究室
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日本の近・現代文学を専攻。明治末から戦後復興期まで活躍した作家・佐藤春夫を主な研究対象とする。詩と小説を軸に、評論・翻訳・戯曲等で常に先端的な作風を示した佐藤の多面的な活動を追うことで、近代日本の文壇史とジャンル編成の歴史とを再検討している。中でも、初期の佐藤が油絵制作に打ち込んでいたことを重視。「写実」が客観描写から内面表出へと意味を拡散させた大正期に、美術と文学が共に夢や無意識を扱う手法を確立していった過程に注目している。ほかにも、近代作家のアジア紀行を綿密に分析している。文献実証と都市論、フィールドワークを組み合わせ、「実態と表現の距離」に肉薄していく長年の研究成果は、佐藤春夫の渡航100年を記念する台湾での展示の実現にもつながった(2020年於台湾文学館)。また、太宰治の書簡発見や、梶井基次郎「檸檬」の草稿分析など、近代文学の豊富な遺産を保全し、社会的に活用することにも努力している。主な著書に『佐藤春夫と大正日本の感性 「物語」を超えて』(鼎書房、2019)、編著に『梶井基次郎「檸檬」を含む草稿群―瀬山の話―』(武蔵野書院、2019)、『佐藤春夫読本』(勉誠出版、2015)、『大学生のための文学トレーニング 近代編』(三省堂、2012共編)などがある。