職名 | 助教 |
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専修課程 | 社会学専修課程 |
専門分野 | 社会学専門分野 |
研究室 | 社会学研究室 |
専門は福祉社会学・家族社会学・地域福祉・社会政策などである。判断能力が不十分とされた人びとに求められる成年後見という法律上の概念を、社会学的に再構成する研究に取り組んできた。とくに、本人の居場所やケアの処遇決定といった、法学的な議論だけでは掬いきれない身上監護・生活支援の側面を、インタビュー調査を通じて社会学の立場から描き出すことに専心してきた。これにより、「介護の社会化」の転用として始まった成年後見の社会化と概念が、民間企業による制度普及、申立て費用の社会化、脱家族化/専門職化としての社会化、家計管理の社会化、協議の場としての社会化、脱専門家としての社会化など、多義的な用法に開かれていくプロセスを分析し、成年後見の社会化のあり様をその豊かな可能性とともに描き直した。以上による社会学理論への貢献として、ケアの社会化論拡張がある。従来のケアの社会化論が、おもに年金制度や介護保険制度を通した扶養と介護の問題を扱ってきたのに対し、ケアの意思決定や管理・調整などマネジメント責任の領域まで議論を発展させている。著作として『成年後見の社会学』(勁草書房、2020)がある。