職名 助教
専修課程 倫理学専修課程
専門分野 倫理学専門分野
研究室 倫理学研究室

 古代ギリシア哲学、とりわけアリストテレスの倫理学・倫理思想を主たる専門とする。これまでは快楽論を中心に『ニコマコス倫理学』の研究を進めてきたが、アリストテレスの倫理思想の重層性を明らかにするという狙いのもと、近年はもうひとつの倫理学書である『エウデモス倫理学』との比較検討にも取り組んでいる。

 古典ギリシア語のテクストに寄り添い、テクストとの対話を通して、自らの哲学的解釈を紡いでいくプロセスを何よりも重視しており、読解に際しては分析的アプローチを取り入れつつもそれのみに終始せず、哲学者・思想家たちの考えを、生きられた思想として多角的・多面的に捉えることを目指している。

 とくに音楽(ムーシケー)を中心に古代ギリシアの芸術理論にも関心があり、アリストテレスに関しては倫理学と美学のあわいを行きつ戻りつしながら、さらに三木清や和辻哲郎など、日本倫理思想史における古代ギリシア哲学の受容を跡づける作業も、以上の研究と並行して進めている。

主な業績

  • 「「旅は本質的に観想的である」:三木清「旅について」におけるアリストテレス受容とその意義」(『倫理学年報』第70集、pp.191–204、2021年)
  • 「アリストテレスの倫理思想における快楽と苦痛:「二つの快楽論」から〈共生の完全化〉へ」(博士論文、東京大学、2019年)