東京大学文学部大江健三郎文庫 ©️大江健三郎著作権継承者

大江健三郎(1935-2023)は「消すことによって書く」作家として知られているが、その痕跡は本学部に寄託された原稿からも窺い知ることができる。大江健三郎文庫には大江氏の1万8千枚を超える自筆原稿が保管されており、なかでも、長編小説『同時代ゲーム』(1979年)の原稿は加筆の跡が夥しく、作者の頭脳の内部を垣間見せてくれる貴重な資料である。

大江健三郎文庫