撮影 上野則宏
実験心理学において重要な指標である反応時間とは、実験刺激に対して観察可能な反応が生じるまでの時間である。反応時間が長いほど、複雑で多くの心的処理を要したことが確認できる。このクロノスコープ(心理実験用測時機)は、1901年にドイツから購入した心理学研究室所有の最古の実験装置であり、1000分の1秒単位まで精密に時間測定可能であった。国際的にも大変貴重である木製箱型カバー付きのクロノスコープは、オリジナルの形状を保っている。100年以上前の最新技術だった時間測定機を心理学研究に導入することで、研究の精度向上に貢献した。