開催日 | 2015年10月21日 |
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文学部心理学研究室では,第28回心理学研究室セミナーとして以下のような講演会を開催しますので,ふるってご参加下さい。なお,講演内容は大学院生以上を想定しております。
第28回心理学研究室セミナー
日時 2015年 10月21日 午後5時から
場所 法文1号館1階113教室
【講師】 北田 亮 (生理学研究所)
【演題】 「視覚脱失が他者理解の認知脳科学的メカニズムに与える影響」
【要旨】
私たちが他者を認知する能力は、先天的要因と後天的要因のインタラクションのよって形成されるが、その背景にあるメカニズムには不明な点が多い。例えば発達心理学では、共同注意からLike-me仮説にいたるまで視覚が社会認知能力の発達に果たす役割が強調されている。しかし生まれてから視覚経験のない方でも社会で活躍しており、視覚以外の感覚が社会能力の発達に果たす役割を見直す必要がある。本講演では「生まれつき目の見えない人が他者をどのように理解するのか」について、講演者が取り組んできた認知脳科学的成果を紹介する。まず(1)これまでに分かっている晴眼者(目の見える人)の社会脳のネットワークについて概説し、高次視覚野が他者と自己の動作の同一性(social contingency)の検出に関わることと、 (2)同一性の検出に関わる活動の一部が自閉症スペクトラム者で減弱することを紹介する。次に(3)生まれつき視覚経験がなくても、他者を理解するためのシステムが発達すること、について紹介する。最後に現在取り組もうとしている視覚障害者研究について紹介し、特殊支援教育に役立つための認知脳科学について、一緒に議論したい。