開催日 2013年10月8日

文学部心理学研究室では,第17回心理学研究室セミナーとして以下のような講演会を開催しますので,ふるってご参加下さい.なお,講演内容は大学院生以上を想定しております.


第17回心理学研究室セミナー

日時:2013年10月8日(火) 午後5時から
場所:法文1号館2階 212教室

【講師】 天野 薫 先生 (情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター・大阪大学)
【演題】 視知覚の神経相関から因果へ ―MEGとfMRIを用いた検討―

【要旨】 本セミナーでは,1.反応時間と同時性知覚という知覚に関する二つの時間の神経相関,2.視覚情報処理におけるアルファ波の機能,3.V1/V2の脳活動操作による色知覚の変化に関する研究を紹介する.一つ目の研究では,反応時間と同時性知覚の変動いずれもが感覚野の応答の時間積分に対する閾値検出メカニズムで説明出来,閾値は同時性判断の方が低いことが示された.二つ目の研究では,ジター錯視および運動誘発盲を用いたMEG計測により,アルファ波が情報処理のクロックとして働いていること,アルファ波帯のフィードバック信号が視覚的意識の成立に不可欠であることが示唆された.三つ目の研究では,Decoded fMRI Neurofeedback法を用いて,白黒の縞刺激と,赤色に対応したV1/V2活動を連合させ,白黒の縦縞に対する色知覚に変化を生じさせることに成功した.最後に相関から因果に迫っていくための今後の研究の展望について述べる.