| 職名 | 助教 |
|---|---|
| 専修課程 | 美学芸術学専修課程 |
| 専門分野 | 美学芸術学専門分野 |
| 研究室 | 美学芸術学研究室 |
| 詳細情報 | https://researchmap.jp/kotaro_shibata |
私はこれまで、20世紀の音文化(声、音楽、音響)を、映画との関わりに注目して研究してきました。映画の音楽は一般的に、映画を見終わった後にさえどんな音が鳴っていたか思い出せないことも少なくない、意識されにくい対象です。しかし映画の音は長いあいだ人々の音楽や音響の感覚に対しても大きな影響力をもってきました。動画配信サイトで音楽が聴かれることも多い現代にあって、映画の音は映像と音の交差する文化を考えるためにも重要な歴史的参照点をなしているのです。私はこうした問題関心のもと、具体的には19世紀末から20世紀半ばまでの日本映画の音を中心に考察を行なってきました。特に日本の事例を日本国外のグローバルな文化流通、また国内のリージョナルな諸実践のなかで位置づけ、グローバル/ローカルに映画史と音楽史が織りなす動態を明らかにする考察を進めています。
近年はさらに、音文化の研究だけでなく、日本映画の供給・興行の研究も進め、地方都市から海外の移民社会までをふくむ多様な土地の映画館や映画興行者に光を当て、映画文化を支えたインフラの形成・展開に考察を加えています。
主要著作・論文:著作『映画館に鳴り響いた音:戦前東京の映画館と音文化の近代』(春秋社、2024年)、論文「1950~60年代の日本映画におけるミュジック・コンクレート:黛敏郎、芥川也寸志、武満徹による音響演出」(『美学芸術学研究』、2014年)、論文「旧劇映画の義太夫入り上映の展開:大正期の東京の事例を中心に」(『演劇研究』、2026年)