職名 准教授
専修課程 美学芸術学専修課程
専門分野 美学芸術学専門分野
研究室 美学芸術学研究室
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近代ドイツ美学を中心に研究を進めている。近年は、主に美学の創始者であるバウムガルテンの美学の可能性の条件を問う研究を、論理学、存在論、世界論、真理論、様相論といった観点から概念史的手法を用いて進めている。並行して現在は、芸術という人間の営みを、技術論的観点から形而上学的に問い直す試みを始めている。芸術や虚構(フィクション)といった、存在の必然性(や現実性)をもたない人間の技術による産物が、古代から近代にかけて、存在論や宇宙論といった形而上学的世界観のもとでどのように位置づけられ理論づけられてきたのか、ブルーメンベルク等を手掛かりに検証を続けている。その他にも、近代的芸術概念の成立史、カント美学とその継承、シュライアマハーを中心とした近代解釈学、感性に関わる認識能力論の系譜学、中世後期および近世スコラにおける世界像と人間像の変容(創造的人間という理念の成立)といった美学の基礎的かつ根幹にかかわる問題に取り組んでいる。
主要論文・著作:「〈創造されなかった世界〉の論理」(『フィクションの哲学』月曜社)、「バウムガルテンの美学と形而上学における虚構の問題」(『美学』250号)、「論理学における心理主義と美学の成立」(『美学』255号)、「批判期カントの構想力概念再考」(『フィヒテ研究』30号)、「ブルーメンベルクの美学における「現実性概念」」(『哲学科紀要』上智大学哲学科、49号)、『シュライアマハーの解釈学』(御茶の水書房)など。