職名 | 教授 |
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専修課程 | 美学芸術学専修課程 |
専門分野 | 美学芸術学専門分野 |
研究室 | 美学芸術学研究室 |
詳細情報 | 詳細情報【PDF: 436KB】 2018-2019年度【PDF: 298KB】 2020-2021年度【PDF: 330KB】 |
これまで通常「美学」と訳されてきたエステティックス(aesthetics)を、その本来の語義に連れ戻し、「感性の学」として「再起動」することを目指している。これまでの「美学」がもっぱら美と芸術を考察対象としてきたのに対して、「感性学」としてのエステティックスは、人間の感性のあり方や働きを、認知科学や工学とも連携しつつ、哲学的に探究する学問である。
近年私がビデオゲームの研究に取り組んでいる理由は、それが来たるべき感性学にとって最重要の対象と考えられるからに他ならない。私はこれまで、ビデオゲームがいかに運動や空間のイリュージョンを発生させるのか、それらをプレイするときに諸感官(目と耳と手)はいかなる協応関係にあるのか、プレイヤーはスクリーンの内と外をいかに関係付けるのか、といった問題を歴史的また理論的に研究してきた。技術やメディア環境が目まぐるしく変化する現代は、われわれの感性にとっていかなる時代なのか。それを検証するうえでビデオゲームは最適な事例を提供してくれる。
なお私のライフワークとも呼ぶべき究極的関心は、想像力と自由、および両者の関係にある。人間の想像力はいかなる力と可能性を秘めているのか、それはいかなるかたちで人間を自由にするのか。ゆくゆくはそうした大問題に立ち向かってみたいが、ゲーム研究はそのための重要なステップになると確信している。