職名 助教
関連施設 次世代人文学開発センター

日本の近・現代文学を専攻。作家・谷崎潤一郎の昭和二十年以降の活動を研究対象とする。谷崎潤一郎が第二次世界大戦後に発表した小説・随筆を、同時代の法制度・風俗・都市計画などを踏まえて分析し、戦後社会に対する批評性という観点から、谷崎作品を再評価することを主な研究課題としている。

これまでは、大阪・船場地区におけるライフスタイルの変化や、兵庫・三宮地区における闇市の発生と展開などを踏まえて、谷崎の作品を分析することで、「家」制度の廃止に対する谷崎の応答や、焼跡からの復興という戦後社会の大きな物語に対する谷崎の批判的なスタンスを明らかにしてきた。

最近は占領期の関西において展開された、都市の復興と文化政策をめぐる議論にも関心を持っている。谷崎潤一郎を軸に、関西に拠点を置いていた作家たちが占領期の復興と文化を語った言葉と、同時代に行われていた議論を比較検討するために、関西で発行された雑誌・新聞を調査し、情報を集めている。