職名 助教
専修課程 美学芸術学専修課程
専門分野 美学芸術学専門分野
研究室 美学芸術学研究室

専門は現代フランスの美学・芸術思想。とりわけジャック・ランシエールを中心に、絶対性や超越性への志向とそれに対する抵抗、芸術と日常性の交錯、美学・芸術と政治(的なるもの)との関係、といった観点から、テクスト解釈に取り組んでいる。現在はもっぱらランシエールによる西洋近代芸術史の読み直しを取り上げる。そこにおいて排除されてきた大衆的・周縁的な文化事象の主題化を通じて、ランシエールがいかにして芸術史の再編成という美学的=政治的実践をなしえているかを辿っている。それによって、マルクス主義のみならずポストコロニアル理論など異議申し立ての諸思想の垣根を超えたインターセクショナルな解放思想として、ランシエールの芸術思想を提示することをめざしている。

また、大衆的文化事象のひとつとして、日本の演芸、お笑いについても関心を寄せている。特に落語を中心に、批評の成熟や国家による制度化、西洋近代的芸術観の流入など様々な外的要因との関係において、この日本文化がいかに変容してきたかを問おうとしている。