職名 助教
専修課程 宗教学宗教史学専修課程
専門分野 宗教学宗教史学専門分野
研究室 宗教学宗教史学研究室

アメリカ合衆国の宗教史を、「宗教の自由」をキーワードとして研究している。博士論文『アンテベラム期合衆国プロテスタントの信教の自由概念―反カトリシズムとの関係から―』では、19世紀のプロテスタントが保持した宗教(信教)の自由理解と反カトリシズムとの関係を探究した。宗教の自由を重視したはずの彼らの不寛容は、自由の敵たるカトリック教会への対抗と、世界的宗教の自由の実現努力という形で展開していた。19世紀以降現代にいたるまで、アメリカは国内外で宗教の自由を広めようとしてきたのであり、反カトリシズムのあり方もこの長期的動向の一部とみることができる。

現在は歴史的文脈と変遷に目を配りつつ、保守的宗教者の性的マイノリティ批判、人工妊娠中絶の是非をめぐる議論、人種差別と白人至上主義的キリスト教ナショナリズムのかかわり、急増する無宗教者など、現代的諸問題と宗教の自由概念の関係にも注目し、研究を進めている。

分担執筆『世俗化後のグローバル宗教事情』(岩波書店、2018年)。論文「現代合衆国における歴史認識と信教の自由理解―キリスト教国論をめぐって」『東京大学宗教学年報』2017年。その他、「2020年のアメリカにおける宗教―コロナ・BLM・大統領選と信教の自由―」『現代宗教2021』、2021年。