職名 教授
専修課程 西洋古典学専修課程
専門分野 西洋古典学専門分野
研究室 西洋古典学研究室
詳細情報 詳細情報【PDF: 309KB】
2020-2021年度【PDF: 199KB】

専門は西洋古典学。なかでも関心をもって学んできた分野は、紀元前1世紀後半のラテン詩文であり、ウェルギリウス作品の解釈にとりわけ熱心に取り組んできた。博士論文「ウェルギリウス『アエネーイス』における造形芸術作品描写」では、ホメロス作品以来おもに叙事詩のジャンルで文学的定型となってきた「エクフラシス」が、『アエネーイス』においていかなる機能を果たしているかを考察した。その後は、研究範囲を少しずつ広げ、ウェルギリウスと活動時期が重なる恋愛エレゲイア詩人、プロペルティウス、ティブッルス、オウィディウスにも注意を払っている。とくにオウィディウスが、ウェルギリウス作品をどれ程丹念に研究し、理解し、乗り越えようとしたかを、いくつかの論文で明らかにした。『憧れのホメロス』(知泉書館、2019)では、上記恋愛エレゲイア詩人たちについての考察をまとめ、彼らが抱いていた叙事詩観を論じた。

ラテン文学とともに、古典受容にも関心がある。カロリング・ルネサンスの立役者の一人、パウルス・ディアコヌスが著わした『ランゴバルドの歴史』の翻訳(知泉書館、2016)はその一例である。また現在は、ペトラルカやボッカッチョがホメロスを再発見する経緯を辿りつつ、ルネサンス初期における古典受容の諸相の解明を試みている。