概要

各種活動

 臨床倫理プロジェクトの研究成果を社会に還元する活動に力を入れています。社会還元は同時に、研究成果が臨床現場において実際に有効かどうかを確認し、さらに改善しようとする実践的研究でもあります。

東京大学文学部・大学院人文社会系研究科における教育活動

 死生学・応用倫理センターは部局横断型《死生学・応用倫理教育プログラム》を提供しています。これは全学に開かれたものであり、一定の単位を取得すると卒業時に修了証が交付されます。本講座教員は「死生学概論」、「応用倫理概論」を含め、本プログラムが提供する科目を数多く担当しています

《医療・介護従事者のための死生学》基礎コース

 臨床現場で働く方たちが死生についてどのように理解し、どのように医療とケアに活かしていくかを研鑽していただくための活動です。毎年、夏季セミナーとレポート書き方セミナー、およびエンドオブライフ・ケアをテーマとする春季シンポジウムなどを行っています。
 さらに、本コースの単位として認定する研究会・講演会があります。受講者は所定の単位を取得し、修了レポートを提出すると、審査を経て修了が認定されます。2022年度末の春季シンポジウムは「ACP の考え方と実践 - 本人を人として尊重する意思決定支援」をテーマとしてオンライン開催し、1200名を超える方々に参加申し込みをいただきました。

詳細は こちら

臨床死生学・倫理学研究会

 水曜日夜間に年10 回程度開催しています。死生の問題に関わる分野の方に発表をしていただき、参加者がディスカッションする研究会です。第一線の臨床家や研究者の講演の他、死生に関わる市民の活動、若手研究者の意欲的な研究など、さまざまな場面からテーマを選んでいます。2022年度はオンラインで10回開催し、延べ4,424名の方々にご参加いただきました。2023年度もオンライン開催を継続します。

2022年度のテーマと講演者(敬称略)
4 月 20 日(水) 「集学的痛みセンターの誕生までの道のりとその意義(多職種集学的痛み診療)」
加藤 実(春日部市立医療センター ペインクリニック科 主任部長、日本大学医学部麻酔科学系麻酔科学分野 臨床教授)
5 月 11 日(水) 「在宅医療における意思決定支援 ― MSWの役割」
阿部葉子(在宅ケアクリニック川岸町 医療ソーシャルワーカー、居宅介護支援事業所かわぎし町 主任介護支援専門員)
5 月 25日(水) 「ハイデガーの「死」の概念と他者理解の問題 ― ケアの現象学に向けて」
田村未希(東京大学大学院人文社会系研究科 死生学・応用倫理センター 上廣死生学・応用倫理講座 特任助教)
6 月 15 日(水) 「慢性腎臓病・透析医療におけるSDM(shared decision-making)の現況と課題」
小松 康宏(群馬大学大学院医学系研究科 医療の質・安全学講座 教授)
6 月 29 日(水) 「身体抑制のないケアを目指して」
出村 淳子(金沢大学附属病院 看護部 副看護部長(臨床倫理担当))
10 月 12 日(水) 「COVID-19 パンデミックと公衆衛生倫理」
大北 全俊(東北大学大学院医学系研究科・医療倫理学分野 准教授)
11 月 2 日(水) 「おたるワンチーム(ICT)を活用した終末期医療の取り組み」
髙村 一郎(髙村内科医院 院長)
11 月 16 日(水) 「CKM(保存的腎臓療法)の現状と今後の課題」
岡田 浩一(埼玉医科大学 腎臓内科 教授)
12 月 7 日(水) 「“弱さ” の倫理学」
宮坂 道夫(新潟大学大学院 保健学研究科 教授)
12 月 21 日(水) 「“老年的超越” の現在」
増井 幸恵 (東京都健康長寿医療センター研究所 福祉と生活ケア研究チーム 研究員)

詳細は こちら