修了レポート執筆要綱

≪医療・介護従事者のための死生学≫基礎コース
-修了レポート執筆要綱 (2012年8月改訂)

修了レポートの執筆要綱を改訂しました。みなさまが書き易いように基準を大幅に緩和してあります。
この要綱は受講者のみなさま全員に適用されます。

提出と審査の概要

《医療・介護従事者のための死生学》基礎コース修了の要件として、受講者は授業への出席24コマ以上(「死生学コア」1コマ、「臨床死生学コア」2コマ、「死生学トピック」5コマ以上、「臨床死生学トピック」5コマ以上、「臨床死生学演習」5コマ以上)の達成に加え、レポートの提出が必須です。このレポートは、本コースの受講を通して学んだことや考えたことや各自の臨床経験や日常実践を踏まえ、受講者各自が「医療・介護従事者のための死生学」に関する 独自のテーマを設定して執筆し、死生学の一定の知を身につけたことを示すものです。
提出されたレポートは、複数の本コース担当スタッフが査読し、合議により合否を判定します。その結果、加筆修正して再提出をお願いすることもあります。レポートが合格した方には、本コースの修了証を授与します。

レポートのテーマについて

上述のように、レポートのテーマは受講者のみなさまが自由に選んでよいのですが、「臨床経験や日常実践を踏まえ」、「死生学の一定の知を身につけたことを示すもの」と言われても、それだけではイメージがわかないので困るとお考えの方もおられるかと思い、以下、もう少し詳しく説明します。
まず、レポートの長さは、3,200字以上8,000字以内ということで、比較的あっさり書くことも、少し本腰を入れて取り組むことも可能です。
受講者のみなさまの中には、レポートや論文執筆の機会が多い方も、また、ほとんど経験がない方もおられることと思います。ですから、皆さま全員に対して画一的に、ある一定水準のものと指定するのは不適切だと考えています。むしろ、それぞれがご自分なりに死生学についての研鑽を積んだ結果をレポートに表現していただきたいと思います。
例えば、ご自分の臨床実践の中で出会ったケースについて死生学を背景にした考察を加えるということが考えられます。患者(利用者)本人や家族との対応を通して、死生観について自分なりに気付いたこと、考えたことをまとめてみるとか、本コースの中で学習できる臨床倫理の事例検討の仕方を一つの事例について実践した上で考察を加えるといったことはいかがでしょうか。例えば、臨床倫理検討シートを使って事例検討し、死生学的な考察を加えるということが考えられます。このような事例報告をもとにしたレポートの場合でも、検討シートを提示する前に、事例検討の背景にある事情や、検討をするに到った事情などを書いてください。
また、例えば、死生学を今後、医療・介護現場でどのように活かすことができるかについて、いろいろなアイディアを挙げて検討するというようなことも考えられるかもしれません。ただ、アイディアを挙げるだけでなく、臨床現場で実施可能であると読者が納得できるように、説明を加えてください。
また、この際、本格的な研究をしようということで時間をかけて作成することもあり得ます。その場合、文献だけに頼らず、医療・介護従事者としてのご自分の実践に結びついた検討を含むようにしてください。患者本人や家族を対象にした調査研究をするというような場合は、それぞれの属する医療機関で倫理審査を受けてください。
本格的研究の場合、そのまま医療系・介護系の雑誌に投稿することを目指してはいかがでしょうか。そういう場合、①序論(背景と目的)、②対象および方法、③結果、④考察、⑤結論(まとめと展望)、⑥引用文献というような、学術雑誌が要求する形式にしていただくことも考えられます。

執筆上の注意

  • 字数は3,200字~8,000字です。図表は字数に入れません。
  • MS Wordを使って執筆してください。その他のパソコンソフトをお使いの場合は、PDFに変換してお送りください。手書きは認めていません。
  • A4版に横書きで、1頁あたり40字×30字に設定してください。余白は、上下左右すべて30mm(3センチ)に設定してください。表題のフォントはゴシック12ポイント、表題以外のフォントは明朝10.5ポイントをお使いください。各頁の下中央にページ番号を挿入してください。
  • レポートの1頁目の上半分に、①レポートの表題、②氏名、③所属機関・職(または医療・介護に関する活動・肩書など)、④メールアドレス、⑤取得単位数、⑥レポート提出年月日を記載してください。
  • レポート1頁目の下半分に、400字以内のレポートの要約(抄録)と、3つ以内のキーワードを記載してください。
  • レポート2頁目から本文とします。形式は問いません。
  • 図表にはキャプションをつけ、該当箇所に挿入してください。
  • 研究対象者や症例の人権、匿名性については十分に配慮してください。
  • 文献は引用したものだけに限定して「引用文献」とし、「参考文献」を含めないでください。
  • 文献は引用順に番号をつけ、本文の引用箇所の肩に1)、2-3)、4, 8, 11)のように番号で示してください。
  • 引用文献リストに記載する著者名は3名までとし、それ以外は和文では「他」、英文では「et al.」と略記してください。
  • 引用文献の書き方
<雑誌の場合>
著者名.題名.誌名 発行年;巻数(号数):始頁-終頁. 例1) 高橋都, 大川玲子, 金子和子,他.一般医療者向け「がん患者の性相談」研修プログラムの実施報告――助産師の役割に注目して.助産雑誌 2004;58(3):70-75. 例2) Yamazaki H, Slingsby B, Takahashi M, et al. Characteristics of qualitative studies published in influential journals of general medicine: a critical review. BioScience Trends. 2009; 3(6): 202-209.
<単独ないし複数の著者による単行本の場合>
著者名.書名.版数.発行地:発行所;発行年:始頁-終頁. 例3) 清水哲郎.医療現場に臨む哲学.第1版.東京:勁草書房;1997:132-141. <分担執筆で著者と編者が異なる単行本の中の1章の場合> 著者名.題名.編集者名.書名.半数.発行地:発行所;発行年:始頁-終頁. 例4) 安藤泰至.死生学と生命倫理――「よい死」をめぐる言説を中心に.島薗進・竹内整一編.死生学 1――死生学とは何か.初版.東京:東京大学出版会;2008:31-51. 例5) Neimeyer R, Jordan J. Disenfranchisement as empathic failure: grief therapy and the co-construction of meaning. In: Doka K (ed.). Disenfranchised Grief: new directions, challenges, and strategies for practice. 1st ed. Champaign, Illinois: Research Press; 2002: 95-117.
<Webサイトからの引用の場合>
*行政や大学・学会等の公的機関の情報のみ 著者名.題名.サイト所有者.URL.(アクセス年月日). 例6)厚生労働省.終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン.厚生労働省.http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/05/dl/s0521-11a.pdf.(2012年8月5日).

提出方法と審査

  • レポートは電子メールにファイルを添付の上、下記アドレスまで送信してください。件名は「リカレント教育:修了レポート(氏名)」としてください。
  • 参加証の両面をスキャンし、レポートと一緒に電子メール添付でお送りください。または、参加証をコピーしたものを、別途、郵送してください。
  • 修了審査には、レポート提出から約3ヶ月かかります。この間、受講者には質問が送付されたり、場合によっては加筆修正が依頼されることがあります。なお、査読者氏名は公表いたしません。

レポートの報告書への掲載

修了レポートは、著者が学術雑誌に投稿する等の理由で希望しない場合を除き、本コースの報告書(毎年度刊行)に概要を掲載します。

レポートの送り先

住所:
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
法文2号館3階 東京大学大学院人文社会系研究科 上廣死生学・応用倫理講座
リカレント教育修了レポート係
メールアドレス: dalsjp[at]l.u-tokyo.ac.jp  *[at]を@に入れ替えてお送りください。