行事予定
臨床死生学・倫理学研究会 (死生学特殊講義 「臨床死生学・倫理学の諸問題」)
概要
参加について
臨床死生学および臨床倫理学の諸課題に関して、医療と介護の現場の実践家や、医学・看護学・保健学・哲学・倫理学・社会学・教育学などのさまざまな分野で取り組んでいる研究者らからご講演いただき、質疑応答で理解を深めて参りたいと思っています。
どうぞお気軽にご参加ください。
2024年5月8日(水) 「エンドオブライフを支える京のまちづくり」
荒金 英樹 先生
(一般社団法人愛生会山科病院 外科 消化器外科部長)
【荒金英樹先生より自己紹介文と講演紹介文をいただきました】
一般社団法人愛生会山科病院 外科 消化器外科部長、京滋摂食嚥下を考える会 顧問、京介食推進協議会 会長
日頃は手術室で主に消化器がんの外科治療に携わる一方、周術期、重症患者から終末期までの栄養療法を研究しています。その縁もあり院内では多職種のスタッフと栄養サポートチームを編成し、様々な病態に対する栄養治療に長年取り組んできました。
そうした中、社会の高齢化から急増する誤嚥性肺炎は当院でも大きな問題となり、胃瘻をはじめとした様々な人工栄養の安全な実施に尽力する一方、口から食べるための様々な支援をしてきました。しかし、こうした院内の取り組みだけでは問題の解決は困難なことから、地域での多職種、施設間連携を目的に京都府、滋賀県の有志と共に「京滋摂食嚥下を考える会」を立ち上げ、様々な食の地域支援体制を整備してきました。
こうした地域の支援体制の整備に取り組む中で、生活の一部である「食」を医療介護業界だけが担うことへの問題も感じるようになり、京都の伝統食産業との連携に取り組み、それを「まちづくり」へと発展させることを目的に「京介食」というブランドを設立しました。病院の奥底で実施される外科手術に代表される疾患を治療するという医療から、街に飛び出し、End of lifeを含めた生活を支援する医療を目指し、模索している活動の一端を紹介させていただきます。
前期の開催日程
- 4月17日(水)
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ACPの光と影 ―― なぜ実行されにくいのか?
冲永 隆子 先生
(帝京大学 共通教育センター 教授) - 5月8日(水)
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エンドオブライフを支える京のまちづくり
荒金 英樹 先生
(愛生会山科病院 消化器外科部長、外科医) - 5月29日(水)
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医療的ケア児を地域で支える
紅谷 浩之 先生
(医療法人社団オレンジ 理事長) - 6月19日(水)
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“トリアージ”をめぐる共有すべき視点
櫻井 淳 先生
(日本大学医学部 救急医学系救急集中治療医学分野 診療教授) - 7月3日(水)
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不確実さとともに、進行するがんと生きる ―― 若年乳がん患者との関わりから
渡邊 知映 先生
(昭和大学 保健医療学部看護学科 成人看護学 教授)
これまでの研究会
2024年4月17日(水) 「ACP の光と影 ―― なぜ実行されにくいのか?」
冲永 隆子 先生
(帝京大学 共通教育センター 教授)
【冲永隆子先生より自己紹介文と講演紹介文をいただきました】
4月1日付けで、帝京大学から帝京科学大学へ移籍しました。
専門は生命・医療倫理学で、研究テーマは終末期医療の事前指示、意思決定支援、ACP等です。拙書『終末期の意思決定』(晃洋書房、2022)では、ACP実現のために、ACP実施の障壁になっていることを幾つか示したうえで、ACPを求める人たちにとって何が課題かを考察してきました。最近では、研究協力者との哲学対話を経て「決められない、決まらないこと」「正解がないこと」や「ネガティブケイパビリティー」(帚木蓬生)、つまり、答えの出ない事態に耐える力について思索しています。
本講演では、ACP研究のきっかけとなった実父とACP当事者で共同研究者の事例を紹介しつつ、ACP実施を困難なものとしている、本人、家族、医療者との間のコミュニケーション齟齬の問題について示したいと思います。
≪医療・介護従事者のための死生学≫基礎コース
- 参加
認定 - 受講生の方は、2回参加で1コマ分の「死生学トピック」ないし「臨床死生学トピック」として認めています。
オンライン開催のため、単位シールをご要望の方はご自身の住所・氏名を書いた封筒(84円切手を貼付してください)を上廣講座にご郵送ください。取得された単位を申告していただきますと、その分の単位シールをご返送いたします。
郵送先:
113-0033
東京都文京区本郷7-3-1法文2号館3階25号室
東京大学大学院 人文社会系研究科
上廣死生学・応用倫理講座
特任研究員 野瀬彰子 宛
大変恐れ入りますが、ご協力いただければ幸いです。
これまでの活動は こちら