多分野交流演習「人間と価値:社会感覚と身体感覚」

主査 小島 毅


 東アジアの近世以降を主な対象とする人文科学・社会科学研究において、視点・枠組の大きな変化が現在起こりつつある。この演習では、分野・地域を超えた研究者間の討論により、その変化の内容・可能性・問題点を掘り下げることを目的とする。実証的な成果をめざすというよりは、方法的な検討を中心にする予定だが、活発な討論を通じて共同研究の成果が挙がるよう、演習を進めていきたい。1998年度のテーマは「社会感覚と身体感覚」であった。

 演習は、毎回参加教官が自己の研究成果をふまえて問題提起をおこなったのち、参加学生(一部については教官)がそれに対するコメントをし、全員で自由に討議するという形式をとった。

 本演習には東京大学から以下の教官が参加した。

人文社会系研究科から 佐藤慎一・岸本美緒・大木 康・小島 毅
東洋文化研究所から  濱下武志・尾崎文昭
法学政治学研究科から 渡辺 浩
総合文化研究科から  並木頼寿

 このほか、併任教官として、坂元ひろ子(一橋大学社会学部)・坂井洋史(一橋大学大学院言語社会研究科)の2名、連繋教官として、坪井善明(早稲田大学政治経済学部)・園田茂人(中央大学文学部)の2名が参加、また、特別ゲストとして、日本滞在中の汪暉氏(中国社会科学院)をお招きした。


日程
 9月30日 岸本美緒「明末社会と陽明学」
10月 7日 大木 康「馮夢龍と妓女」
10月14日 小島 毅「八条目のあいだ」
10月21日 園田茂人『証言・日中合弁』
10月28日 汪  暉「当代中国的思想状況與現代性問題」(通訳:尾崎文昭)
11月 4日 渡辺 浩「「夫婦有別」と「夫婦相和シ」」
11月11日 坪井善明「ヴェトナム戦争と文化変容」
11月18日 並木頼寿「明治初期の興亜論と曽根俊虎について」
11月25日 坂井洋史「文化批評・近代論・文学史」「懺悔和越界」
12月 2日 濱下武志「現代中国と近代史研究」
12月16日 坂元ひろ子「恋愛神聖と民族改良の「科学」」 

1999年度「人間と価値:変革と人間観」と題して開講する予定である。


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