旧HPのコンテンツ①
※こちらに書かれている情報は最新ではありません。参照する際は注意してください。
ロシアの本屋案内
1. モスクワの本屋(1999年6月作成、2011年7月一部改訂、2014年1月全面改訂)
モスクワはロシアの首都だけあって新刊書も充実しています。Библио-ГлобусやМоскваなどの大手総合書店は、今や日本の地方の大手書店ぐらいの規模と品揃えがあると言えるでしょう。しかし、モスクワには小さめの専門書店にもよい店がいくつかあります。人でごった返した大手書店よりも、ゆっくり本を選べるという点でこれらの専門書店の方が好ましいと思う人もいるに違いありません。
大手総合書店ベスト3
本(古本も含む)だけでなくCDや文具も取りそろえた大規模な総合書店です。一般的な新刊書を探す場合は、これらの書店にまず足を運ぶのがよいでしょう。 品揃えにはそれぞれムラがあり、あるところに在庫がなくても別のところで見つかるということは頻繁にあります。
Библио-Глобус (Мясницкая ул., 6; Метро Лубянка)
地下鉄Лубянка駅からすぐ。地下歩道に出口表示あり。
Москва (Тверская ул., 8; Метро Пушкинская, Тверская)
地下鉄Охотный ряд駅とПушкинская駅の中間ぐらい。
Московский Дом книги (Новый Арбат ул., 8; Метро Арбатская)
地下鉄Арбатская駅から、Новый Арбат通りを西に10分弱歩いたところ。
小さめの専門書店
(以下の専門書店は栄枯盛衰が激しく、移転・閉店の可能性があるので、モスクワ在住者から最新の情報を確認しておくのが望ましい)
トヴェルスカヤ界隈
Театральные книги (Страстной бульвар, д. 10/34. строение 1; М. “Чеховская”)
http://www.art1990.ru/shop.html 演劇関連の専門書店。新刊書と古書が両方あります。それほど豊富に資料が揃っているわけではありませんが、演劇関係に興味のある方は一見の価値あり。価格も良心的。ただし、少し分かりにくいところに書店があるため、以下詳しく案内します。まず、住所はСтрастной бульвар となっていますが、実際には ул. Б. Дмитровка 沿いにあります。しかも書店が単独で存在しているのではなく、Центральная научная библиотека Союза театральных деятелей РФ (ЦНБ СТД РФ) という図書館の中に位置しています。行き方は、最寄りの Чеховская 駅から出たら右に進み、横断歩道を渡ります。すると目の前にЦНБ СТД РФ があるので、そのまま Страстной бульвар を直進せずに(すぐ左側に並木のある大通りが走っていますが、これがСтрастной бульвар です)、右折して ул. Б. Дмитровка 沿いを歩いて、この図書館の中に入ります。すると右手に扉があるので、それを開けると図書館の入り口です。閲覧室には入らずに、部屋の奥の扉を開けた先が書店です。 ちなみに、この図書館の斜向かいにも書店がありますが、そこは主に英語の教科書を扱う書店で、あまり見るべきものはありません。
Русская деревня (Глинищевский переулок, дом 6; М. “Пушкинская”, “Чеховская”, “Тверская”)
http://www.hamlet.ru/ 地方で出版されたりした少部数の本を中心に扱っている書店。新刊書も古書もあり。文学の他にも様々なジャンルの本が置いてあります。また、学術論文のレジュメ(紹介論文)も販売されています。背表紙に何も書かれていない小冊子が多く書棚に並んでおり、見過ごしてしまいそうですが、中には貴重な冊子もあるので要確認。なお、この書店は有名な『モスクワ書店』の裏側に位置し、発見しやすそうですが、やはり探し出すのは困難です。Глинищевский переулок 沿いに建っている水色の建物にアーチ型の入り口があるので、その扉を開けて中に入ります。すると目の前に広々としたホールが開けていますが、そこへは進まず、すぐ右に折れます。暗い廊下には3つのドアが並んでいますが、その一番手前のドア、「26番」のドアの中が書店です。看板や表示は一切ありません。
Фаланстер (М. Гнездниковский пер., д. 12/27, стр. 2-3; М. “Тверская”)
http://falanster.su/ トヴェルスカヤ界隈では人文社会系の書籍が恐らく一番充実しています。新刊書も古書もあり。店内は広々としており、本も探しやすいです。場所は少々分かりにくいですが、薄暗いアーケードの中に扉があり、そこを開けて入った2階です。アーケードの外には日焼けサロンの看板がいつも出ているので(少なくとも2011年夏~2013年夏まではいつも出ていました)、それを目印にするとよいでしょう。
Акция Лт (Антикварная лавка) (Б.Никитская, д. 21/18; М. “Арбатская”, “Тверская”)
http://www.akcia-antique.ru/ かなり年代物の古書を扱っている書店。1階ではイコンが、2階ではアンティーク雑貨が中心に販売されていますが、2階の奥に古書店があります。芸術関係、文学関係の古書が充実しており、多巻物の著作集もあります。初版本に興味のある方は足を運んでみる価値があるでしょう。なお住所とは異なり、実際には калашный переулок 沿いに入口があります(二つの通りが交差する辺りに書店は位置しています)。 ちなみに、Б.Никитская 通りを挟んで斜向かいにも書店がありますが、ここは主に宗教及び音楽関連の書籍が中心です。ただし、ごく少数ながらも文学関係の本も置かれており、文学にだけ関心のある人も余裕があったら見ておくとよいかもしれません。
Чук и Гик (Большой Палашевский пер. д. 9; М. “Пушкинская”)
http://www.chookandgeek.ru/ マンガ専門店。ロシア語と英語のマンガ及びマンガ雑誌が置かれています。日本のマンガのロシア語訳もたくさんあります。一方でいわゆるバンド・デシネ型のマンガもあり、筆者は『巨匠とマルガリータ』のマンガを購入しました。他に、マンガの批評集やフィギュアなども僅かにあります。店内は狭く、充実した品揃えとは言い難いですが、モスクワでマンガ専門店は貴重な存在。
ルビャンカ界隈
Центральная книжная лавка писателей (Кузнецкий Мост, 18/7; М. “Кузнецкий Мост”)
http://lavka-pisateley.msk.ru/ ”Дом иностранной книги” という外国語専門の書店に隣接しています(なおこの書店は英語で書かれた一般書籍を中心に扱っており、品揃えはあまりよくありません)。2階建てで、文学関連の書籍は上階にあります。演劇、映画、絵画、文学等の研究書(主に古書)が充実しており、多巻物の作品集もあり。なお女店主(店員?)は親切で文学にも詳しく、探している本を尋ねると、それがお店にあればすぐに出して見せてくれます。価格も高くありません。とりわけ店先に陳列している多巻物は、極めて安価で売られています。
Циолковский (Новая площадь д.3/4 , подъезд 7д в здании Политехнического Музея; М. “Лубянка”, “Китай-город”, “Кузнецкий Мост”)
http://www.primuzee.ru/ ”Политехнический Музей” という大きな建物の中にある書店。入口が何箇所もありますが、正しいのは “подъезд 7” という入口。もっとも、大きな看板が出ているので間違える心配はありません。ここは “Фаланстер” のいわば姉妹店であり、それだけに人文社会系の書籍の品揃えは非常に充実しています。ルビャンカ界隈では恐らく一番でしょう。店内は広く、本を探しやすい造り。新刊書も古書もあり。
Гиперион (Хохловский переулок, дом 7-9, строение 3 (вход со двора); М. “Китай-Город”)
http://www.hyperionbook.ru/ 一見スラムのような場所の奥に佇む、非常にユニークな書店。ロシア・アニメーションの百科事典からプラトーノフ作品集、碩学によるバレエの研究書、ペッペルシュテインの小説まで、非常に幅広いジャンルの書籍が揃っています。他所のお店ではちょっとお目に掛かれないようなものが多く、探している本があるならば一度は訪れてみる価値あり。雑貨や絵本も販売されています。
クロポトキンスカヤ~パールク・クリトゥールィ
Нина (Ул. Волхонка, д. 18/2, киоск в Институте русского языка им. В.В. Виноградова; М. “Кропоткинская”)
http://www.kniginina.ru/ ”Нина” 書店はパヴェレツカヤ駅にあった方(すでに閉店)が有名ですが、クロポトキンスカヤ駅近くにもあります。ただし、これは「ヴィノグラードフ名称ロシア語大学」内の書店です。大通りに面した扉を開けて中に入り、受付の女性に用件を言えば、書店に通してもらえます。もっとも、店内は狭く、それほど豊富に本が取り揃えられているわけではありません。語学・文学関係の新刊書が中心。
Букинист (Остоженка, 53/2, стр. 4; М. “Парк культуры”)
駅のすぐ傍にある古書店。今時にしては珍しく、自分で本を手に取って吟味することができません。古書は全て展示ケースに入れられているか、あるいは手の届かない位置に配架されています。かなり年代物の古書ばかり集められており、そういったものに興味のある訪問者には有益かもしれません。
ノヴォクズネツカヤ~パヴェレツカヤ
Параграф (Ул. Пятницкая д. 3/4, строение 2, Торговый центр, Магазин по стрелке “Книги, букинистика”; М. “Новокузнецкая”)
http://paragraf-book.ru/ Новокузнецкая 駅を出て右折し(2013年2月にオープンした丸亀製麺とは反対方向)、しばらく進むとアーケードがあるので、そこを潜ると、正面に “Книги, букинистика” の看板が掛かった小さなビルが見えます。この建物の階下のずっと奥の方に古書店があります。
多巻物の作品集/全集や児童書が特に充実しており、他に演劇関係や文学関係の研究書も置かれています。また、20世紀初頭に出版された古書が貴重書として販売されています。概して良心的な値段設定。
その他
Академкнига (Ул. Вавилова д. 55 / 7; М. “Академическая”)
http://www.litras.ru/ モスクワ市内に幾つかの支店を持つ書店。例えば “Цветной бульвар” 駅の傍にも店を構えています。基本は新刊書店ですが、しかし古書の数も非常に多いです。文学、歴史、絵画、建築、音楽、数学…様々なジャンルの書籍が豊富に揃えられています。しかもかなりの低価格で販売。例えばチュコフスキーの『文学的回想』は150ルーブルでした。また、各国文学作品のロシア語訳も棚に並べられており、こちらも安く購入が可能。ちなみにモスクワ大学から歩いて20~30分程の所に位置しているため、モスクワ大学に来た折には是非活用してもらいたいところ。
Книга МАКСИМА (1-й корп. гум. фак. МГУ, 1 этаж, около библиотеки; М. “университет”)
モスクワ大学構内にある古書店。第一人文棟1階にひっそりと店を構えています。品揃えは平均点以上。店内にある本は恐らく全てリストアップされており、仮に目当ての本を自力で探し出せなくても、書名を言えば数日中に見つけてきてくれます。店内にない場合は注文も可能。ただし、一度に大量の本を注文すると断られるので、一回に頼む量は1-2冊程度が望ましいでしょう。また高価な本もなぜか断られる場合があります。
(この項文責・小澤裕之)
付録:中央郵便局
Московский почтамт (Мясницкая ул., 26; Метро Тургеневская, Чистые пруды)
モスクワから日本に大量の本を送る場合、ここに持ち込んで船便で発送するのが最も安価で済む。ただし荷物の扱いは乱暴なことが多い。2013年現在、改築中で、 近隣の建物(Мясницкая通り沿いに駅から離れていく方向)に移転している。
2. モスクワ・ペテルブルグの図書館(2003年10月現在)
ロシア文学・文化を研究する以上、現地ロシアの図書館にある資料を利用することが非常に大きな意味を持つのは言うまでもありません。しかし、ロシアの図書館のほとんどは、図書が出てくるまでに長い時間待たされたり、所によってはコピーに数日を要したり、辞書など自分の本が持ち込めなかったり、出入りにいちいち手続きが必要だったり、国立図書館のみならず大学などでもほとんどの図書館が全て閉架式であったりするなど、日本の図書館に慣れてしまうと非常に使いづらいものであることも事実です。特に短期滞在でロシアに資料収集に来られる場合などは、そうしたことを念頭に置いて、余裕を持って日程を組まれることをお勧めします。
なお、本ページ執筆の際には、ターニャさん(日本人。ロシア史を専攻されています)のHP「ロシア雑記帳」(http://homepage2.nifty.com/~takako~tanya/index.html)の中の「ライブラリー」の項にある図書館案内を参照させていただきました。独自の視点から書かれている上、文句ばかり言っている私の紹介と違い、図書館に対する愛情の溢れた文章ですので、ぜひ併せてご覧ください。
モスクワの図書館
モスクワでは、「レーニン図書館の閉鎖」という半ば社会問題のような状況が数年間にわたって続き、他の様々な図書館が代替として利用されていたのですが、レーニン図書館復旧のめどがようやくついた今となっては、この図書館(およびその分館である書籍博物館、ヒムキ)を使えばとりあえずの用は足りる、という方向に向かっていくと思われます。他の図書館は、レーニン図書館にない資料及びまだ開いていない部分の資料が目当てである場合、あるいは何か掘り出し物を求めている場合など、「オプション」として利用すればいいでしょう。
ロシア国立図書館(通称:レーニン図書館)
Российская государственная библиотека
ул. Воздвиженка, 3/5; Метро “Арбатская”, “Александровский сад”, “Боровицкая”, “Библиотека им. В.И.Ленина”
Пн-Пт: 9-20, Сб: 9-19, 毎月最終月曜は清掃日のため休館
http://www.rsl.ru/
永久に続くのではないかと思われていた改装工事にもようやく一つのめどがついたようで、2003年10月より、かなりの蔵書が閲覧できるようになった(→http://www.rsl.ru/tot.asp?izm.htmを参照)。言うまでもなく、規模から言っても所蔵する資料の数から言ってもロシア最大の図書館。ただし、ロシア語文献、特に旧ソ連の文献に関しては相当数の蔵書を誇る一方、冷戦期の文化政策を反映してか、旧西側など外国の文献は必ずしもよく揃っているとはいえない(1960年代の英語文献でもマイクロフィルムでしか参照できない場合があるなど、妙なことが多い)。
パスポートさえあれば旅行者でも簡単に入館証を作ることができ、また外国人には誰であれ、ロシア人の博士号所有者などと同じ閲覧室が割り当てられるというのがうれしいところ(2004年8月追加――2004年8月現在、このシステムは既に廃止されたようである)。コピーセンターはいくつかあり、混み具合にも寄るが、いずれも比較的迅速にやってくれる(普通の書籍なら一枚3ルーブル50コペイカ)。また、マイクロフィルムのコーナーもあり、コピーも受け付けているが、資料が出てくるのは注文した翌日(その日が金曜ないし土曜の場合は次の月曜)の夕方4時以降になる。マイクロフィルムを扱う地下のコピーセンターの注文受付が4時半までであることを考えると、短期滞在者には不便この上ない。
なお、明らかに不完全なものであるが、インターネット上で蔵書検索をすることも可能である。詳しくは上記の図書館のホームページを参照。
書籍博物館 НИО редких книг (Музей Книги)
ул. Воздвиженка, 3, корпус “Г” (3-й подъезд, 4-й этаж); Метро “Арбатская”, “Александровский сад”, “Боровицкая”, “Библиотека им. В.И.Ленина”
Пн-Пт: 10-17, Сб: 10-16, 毎月最終月曜は清掃日のため休館
http://www.rsl.ru/tot.asp?7_5.htm
レーニン図書館の分館であり、レーニン図書館の入館証があれば利用できる。グーテンベルグの活版印刷本や『死せる魂』初版本などが並んでいる展示室を抜けると、その奥が図書室になっている。カード目録に書かれた書誌情報を係員に渡せば、10分から20分くらいで図書が出てくる。18世紀から20世紀初めの書籍を数多く所蔵しており、この時代の文学・文化を専門にしているなら、ここは絶対に外せないだろう。閲覧したことはないが、17世紀以前の本もかなりあるようだ。18世紀の本などでも現物を素手でぽんと渡されるので、博物館とは言いながらメインテナンスは大丈夫なのかと心配になってしまう。
コピーはものによってできたりできなかったりする。19世紀後半以降の本は概ね可能なようだが、19世紀前半から18世紀あたりになると、さすがに本の保存状態を気遣っているようで、マイクロフィルムがある場合にのみ複写が可能。
ヒムキ(レーニン図書館学位論文・新聞部) Отдел газет и отдел диссертаций
г. Химки, ул. Библиотечная, 15; Метро “Речной вокзал” (駅前から出ている乗合バスNo.344-К あるいは368-Кに乗り、停留所Библиотечная улицаで降りるとすぐ前)
Пн-Сб: 9-18, 毎月最終月曜は清掃日のため休館
http://www.rsl.ru/tot.asp?7_18.htm (新聞部)
http://www.rsl.ru/tot.asp?7_19.htm (学位論文部)
これもレーニン図書館の分館で、学位論文、新聞を所蔵する。入館は、レーニン図書館の入館証があれば大丈夫。かつては印刷物を一切持ち込めなかったらしいが(自分のメモなどでも不可だったらしい。入って一体何をしろというのか)、現在はメモやノート、プリント程度なら持ちこみ可。資料請求の一般受付は2時などかなり早い時間に閉まるのだが、外国人(レーニン図書館閲覧室No.1の入館証を持っている人)に対しては待遇がよく、受付終了後でも行ってその日に資料が閲覧できることがある。ただし論文丸ごとのコピーは一日ではできないので、後日また来なくてはならない。
「ヒムキ」はモスクワ郊外の地名で、ここは既にモスクワ市ではない。とにかく、とてつもなく立地条件の悪いところである。
歴史図書館 Федеральное государственное учреждение культуры Государственная публичная историческая библиотека России (ГПИБ России)
Старосадский переулок 9, стр. 1; Метро “Китай-город”
Пн-Сб: 9-20, Вс: 10-18, 祝日、毎月最終金曜の清掃日は休館。また夏季(6-9月)には開館時間に変更あり(HPで確認してください)
http://www.shpl.ru/
入館証を作るには、大学などロシア国内の所属機関が発行した紹介状が必要。レーニン図書館が閉館していた期間は、代替施設として人文系の多くの学生に利用されていた。原則として、歴史を学ぶ人のための利便が図られた図書館。最初に申告すれば、辞書など自分の本も持ちこみ可。レーニン図書館の目録にない本もかなり所蔵している。コピーはかなり不便で、時間がかかる(場合によっては数日)上、フロントページならびに目次のページはコピー不可という規則がある。
この図書館は、歴史を専攻しているか否かによって割り当てられる閲覧室が異なってくる。入館証を作る際に、文学など歴史以外の分野を「専門」として申告すると、一般閲覧室という大きな部屋が割り当てられるが、時期によっては長い列が出来ていることが多く(特に学期末)、あまり使いやすいところではない。私はロシア史研究者を名乗って利用している。ただ、レーニン図書館がかなり使えるようになった今後はまた事情も違ってくるかもしれない。
イニオン Библиотека Института научной информации по общественным наукам (ИНИОН) РАН
Нахимовский просп.15/21; Метро “Профсоюзная”
Пн-Пт: 10-17
http://www.inion.ru
ロシア科学アカデミーの図書館。何と言っても、鞄など自分の荷物を持ち込めるという点が最大のメリットである。しかし、科学アカデミーの深刻な財政事情を反映して、この図書館は90年代のある時期以降、外国の図書の購入をやめてしまった。また、古い資料でもマイクロフィルム化されているものは少ない(つまり、古くて状態の悪い資料は複写不可ということ)。コピーもかなり不便で、その日に出来上がってくることはまずない。ここも、入館証を作る際には紹介状が必要。
外国文献図書館 Всероссийская государственная библиотека иностранной литературы им. М.И. Рудомино (ВГБИЛ)
Николоямская 1; Метро “Китай-город”, “Таганская”
9-5月 Пн-Пт: 10.00-19.30, Сб-Вс: 10.00-17.30
6-8月 Пн-Пт: 10.00-19.30, Сб: 10.00-17.30
毎月最終木曜は清掃日のため休館
http://www.libfl.ru
外国の図書が多く参照できるという、ロシア在住者には貴重な図書館。ただし、例えばロシア文学の中の特定分野に関する欧米の最新の研究など、あまり専門的なものを求めて行くと、肩透かしを食らうかもしれない。4階には日本大使館文化広報部が置かれており、事典類から一般の文芸書、さらには雑誌や漫画に至る日本の図書を読むことができる。ここの開室時間は月-金が10時-19時半、土曜が12時―17時半。日曜は休み。
芸術図書館 Российская государственная библиотека по искусству
Большая Дмитровка, 8/1; Метро “Театральная”, “Охотный Ряд”, “Площадь Революции”
http://www.liart.ru/
主に美術関連の資料を集めた図書館。
モスクワ大学付属図書館
原則的に、モスクワ大学の学生であることが利用資格であり、私は利用したことがない。が、非常に充実した図書館であるという話はよく耳にする。
ロシア国立人文大学(РГГУ)付属図書館
РГГУの教官も「とても酷い図書館」と言うくらいの図書館であり、所蔵図書が乏しいのみならず、入館がやたらと厳しい上、学生のアルバイトと思われる館員の態度は無礼極まりない。РГГУの学生でなければ入館証が作れないが、まあ行くメリットは全くない。РГГУの学生であっても、新聞のバックナンバーが読みたい時にでも行けば十分。ただし、РГГУの大学院生には図書の館外持ち出しが許されているため、一般的な図書を手元にしばらく置いておきたいときは良いかもしれない。
ペテルブルクの図書館
モスクワはロシアの首都ですが、だからといって、ペテルブルクの図書館がモスクワの図書館と比べると全く見劣りしてしまうような存在かといえば、必ずしもそうではありません。確かに町の規模が大きく、情報一般が集中しているのはモスクワなのですが、こと文学・文化といった領域に関しては、モスクワとペテルブルクでほぼ拮抗しているような印象を受けます。図書館もその例外ではありません。また、帝政期の資料の中にはモスクワの図書館にないものも多く、特に19世紀から20世紀初頭を専門にしている場合は、ペテルブルクのほうがむしろ重要である場合が多いとすら言えます。
ロシア国民図書館(通称:シチェドリン図書館、公共図書館) Российская национальная библиотека
旧館:ул. Садовая, 18; Метро “Гостиный двор”, “Невский проспект”
新館:Московский пр., 165; Метро “Парк победы”
http://www.nlr.ru
ペテルブルク最大の図書館。モスクワのレーニン図書館と同じく、パスポートを提示すれば旅行者でも入館証が作れるシステムであり、紹介状などは必要ない。(2004年4月追加――ただし、雑誌フォンドやゼームスキーフォンドなど、館内の部門によっては紹介状が要求されるところもあるので、注意が必要である) 旧館は、狭い敷地を目一杯使った迷路のような構造を持つ古い建物だが、新館は、「ロシアの図書館」へのイメージを根本から塗り替える、モダンな建物。
この図書館は、現在移転工事が行われているため、資料が旧館と新館に分散しており、その意味で様々な不便が付きまとう。例えば、マイクロフィルムの注文、閲覧は新館だが、マイクロフィルムの印刷の注文は旧館で行う。仕上がりには、建物が分かれていることもあり、今のところ早くても1週間かかるようである。普通の図書も両館にかなり分散している。
少し前までは、1930年代以前の本が館内のカード目録にないため、自分で別の本などを見て書誌情報を調べ、請求するというシステムであったらしい。しかし今では、館内の蔵書の書誌情報を記したカードは全てスキャナで取り込まれており、インターネットを通した蔵書検索が可能である。館内にもコンピュータ室(レーニンスキー・ザール)が設けられており、図書の検索ができる。図書館の電化を目の当たりにして、レーニン像もどこか感慨深げである。もちろん、カード目録も従来どおり利用できる。資料が出てくるのはほとんどの場合請求の翌日である。(2004年5月追加――資料は、平日は夕方5時、土日は4時までに請求すれば、その日のうち(2時間後)に見ることができる。この時間を越えると、資料が出てくるのは翌日となる。)
コピーが非常に迅速なのが、この図書館のすばらしいところである。たいていはその場でやってくれるし、特に新館のコピーセンターは数百ページの本でも10-20分ほどで丸ごとコピーしてくれる。 上に挙げた旧館、新館の他にも、この図書館には様々な分館があるが、ほとんどの用はこの二つで足りるだろう。他の分館に関しては上記の図書館HPを参照。
プーシキンスキー・ドーム図書館 Библиотека Института русской литературы
наб. Макарова; Метро “Василиеостровская” (ただし地下鉄駅からはかなり遠い。Университет方面行きのバスか乗合バスを利用するとよい)
http://www.pushkinhouse.spb.ru/structure/unit9.shtml
ロシア科学アカデミー・ロシア文学研究所(通称:プーシキンスキー・ドーム)の中にある図書館。この研究所所属でない人が利用する場合は、自分の所属機関が発行した紹介状が必要。紹介状を渡すと、同じ建物の2階に部屋を持っている担当者のサインをもらってくるよう言われる。ただし、入館にあたって何かが求められるわけではなく、カード目録を見るくらいならおそらく何も必要ではない。旅行者でも、普段から来ているような顔で澄ましてカードをめくっていればいい。良くも悪くもアバウトなところである。
本は、請求すればすぐその場で出してくれる。閲覧室は、通常の百科事典や各時代のロシア語辞典のみならず、作家事典をはじめとする数々の文学関連の事典や、有名作家の全集などが並び、ロシア文学を研究するための利便が最高度に図られたところである。コピーも、数ページならその場でお金を払ってすぐやってくれる。ただ、資料請求の受付時間が4時まで、閲覧室が開いているのが5時までとかなり早いので、できるだけ早めに行ったほうが良い。
科学アカデミー図書館 Библиотека Российской Академии Наук
Биржевая линия, 1; 交通機関に関してはプーシキン・ドーム図書館と同様
http://ban.ru/
有名なところですが、私は利用したことがなく、知り合いで利用したという人もあまり聞きません…。どうなんでしょう?
文責:鳥山祐介