東京大学 文学部・大学院人文社会系研究科
スラヴ語スラヴ文学研究室

Department of Slavic Languages & Literatures, Faculty of Letters, The University of Tokyo

妖婆バーバ・ヤガーの謎

この講義では、ロシア民話の中でももっとも驚くべき存在の一つである「バーバー・ヤガー」について、その機能や歴史について解明します。バーバ・ヤガーは互いに矛盾する性格をいくつも持っていて、恐ろしくおぞましいものであると同時に、時に驚くほど優しくもなります。死んでいるのか、生きているのか? 目が見えないのか、よく見えるのか? 処女なのか、母親なのか? 基本的にはおぞましい悪役として、子供なら誰でも知っていて恐れるおとぎ話の登場人物ですが、その一方で、昔話の他の平板なすべての登場人物たちと比べると、バーバ・ヤガーの複雑さは際立っており、芸術家・作曲家・映画監督たちにインスピレーションを与えてきました。この講義ではバーバー・ヤガーの全体像を描くことを試み、あわせてその複雑さを説明しようとするいくつかの理論について考察します。