橋場 弦 HASHIBA Yuzuru
略歴
| 1984年3月 | 東京大学文学部西洋史学専修課程 卒業 |
| 1986年3月 | 東京大学大学院人文科学研究科修士課程西洋史学専攻 修了 |
| 1990年10月 | 同博士課程を単位取得退学 （1991年11月 博士〈文学〉号取得） |
| 1991年11月 | 同文学部西洋史学研究室 助手 |
| 1993年4月 | 大阪外国語大学外国語学部比較文化講座 助教授 |
| 2002年3月 | ケンブリッジ大学古典学部客員研究員 クレアホールコレッジ客員フェロー （～2003年2月） |
| 2006年4月 | 東京大学大学院人文社会系研究科西洋史学 助教授 |
| 2007年4月 | 東京大学大学院人文社会系研究科西洋史学 准教授 |
| 2010年11月現在 | 東京大学大学院人文社会系研究科西洋史学 教授 |
専門領域
アテナイ民主政制度史研究、古代ギリシア・ポリス国家における公共圏と民主政コードの成立
主要業績
著書（単著）
- 『アテナイ公職者弾劾制度の研究』東京大学出版会、1993年7月、A5判、416頁（第35回東京大学出版会刊行助成採用）
- 『丘のうえの民主政:古代アテネの実験』東京大学出版会、1997年11月、46判、240頁
- 『賄賂とアテナイ民主政:美徳から犯罪へ』山川出版社、2008年
- 『民主主義の源流：古代アテネの実験』講談社学術文庫、2016年1月、281頁
著書（共編著）
- 『古代オリンピック』（桜井万里子と共編）岩波新書(2004年)
- I. Worthington (ed.), Brill’s New Jacoby, Brill, Leiden, s.v. Stesikleides (245), Andron (246), Theodoros (346), 2011.
- 『学問としてのオリンピック』山川出版社（村田奈々子と共編）、2016年7月、246頁
論文
- 「古典期アテナイのエイサンゲリア(弾劾裁判)について―その手続きと民主政における意義―」 『史学雑誌』史学会、96編7号、pp.1-35.1987年7月20日.
- 「古典期アテナイのエイサンゲリア(弾劾裁判)をめぐる諸問題」 『法制史研究』創文社、37号、pp.103-126.1988年3月30日.
- 「古典期アテナイのドキマシア(資格審査)について―その機能と民主政―」『西洋古典学研究』岩波書店、36号、pp.23-32.1988年3月18日.
- 「エイサンゲリア(弾劾裁判)成立史―アテナイ公職者弾劾制度の発生と展開をめぐって―」『史学雑誌』史学会、99編10号、pp.1-36.1990年10月20日.
- 「古典期アテナイにおける罪と法―弾劾法(ノモス･エイサンゲルティコス)の性格をめぐって―」『歴史学研究』青木書店、629号、pp.1-33.1992年2月15日.
- 「マラソン伝説の起源とアテネ民主政」『歴史と地理』山川出版社、444号、 pp.1-13. 1992年8月20日.
- 「アテネ民主政の展開とパトロネジ」 長谷川博隆編『古典古代とパトロネジ』名古屋大学出版会、1992年11月30日、pp.49-66.
- 「アテナイ民主政における司法への民衆参加」佐藤篤士･林毅編著『司法への民衆参加―西洋における歴史的展開―』敬文堂、1996年2月22日、pp.1-18.
- 「アテナイ民主政における贈収賄罪の成立―法制的側面から―」 『古代文化』古代学協会、48巻7号、1996年7月、pp.1-16.
- 「月桂樹と楠―樹木の比較文化史―」 『比較文化･知の源泉』大阪外国語大学比較文化講座編、1996年3月、pp.61-98.
- 「民主政の罪と罰―美徳から犯罪へ―」 『岩波講座世界歴史第4巻 地中海世界と古典文明』岩波書店、1998年6月、pp.191-209.
- 「説得と民主政―モノからコトバへ―」 『西洋古典学研究』岩波書店、47号、1999年3月、pp.122-132.
- Dokimasia Reconsidered:What Was Its Purpose?, KODAI:Journal of Ancient History 8/9, 1997/8, pp.1-10.
- 「隠されたコード：アテナイ民主政研究の視点から」『創文』461、2004年1月、38-41.
- 「ギリシア演劇とアテナイ民主政」『劇場文化』8、2005年5月1日、222-235.
- "Athenian Bribery Reconsidered: Some Legal Aspects," Proceedings of the Cambridge Philological Society (Cambridge Classical Journal) 52, 2006, pp.62-80.
- 「ギリシアの「衰退」とは何か（第58回日本西洋史学会大会小シンポジウム報告）」（橋場弦編・共同執筆者：師尾晶子・長谷川岳男）『西洋史学』234、2009年9月、pp.49-60.
- 「二つのアンビヴァレンス—贈与と異民族をめぐる意識変容」桜井万里子・師尾晶子編『古代地中海世界のダイナミズム—空間・ネットワーク・文化の交錯』山川出版社、2010年５月、pp.228−251.
- 「アテナイ民主政における警察機能と市民」吉田伸之・伊藤毅編『伝統都市２ 権力とヘゲモニー』東京大学出版会、2010年５月、pp.101−124.
翻訳・監修
- (翻訳)ポール･カートリッジ著『 古代ギリシア人:自己と他者の肖像』白水社(2001年)
- （監修）『古代ギリシア:１１の都市が語る歴史』ポール･カートリッジ著､新井雅代訳、白水社､2011年8月、235頁
- （翻訳・訳注・解説）アリストテレス「アテナイ人の国制」『新版アリストテレス全集 １９ アテナイ人の国制・著作断片集１』岩波書店、2014年12月、1-241頁、445-483頁
書評・研究動向等
- J. T. Roberts, Accountability in Athenian Government, Madison 1982, (書評). 『西洋古典学研究』33号1985年.
- M. Ostwald, From Popular Sovereignty to the Sovereignty of Law: Law, Society and Politics in Fifth-Century Athens, Berkeley / Los Angeles / London 1986, (書評).『西洋古典学研究』37号1989年.
- 森村進『ギリシア人の刑罰観』木鐸社1988年、(新刊紹介).『史学雑誌』98編6号1989年
- 一柳俊夫『古代ギリシア法思想史研究』お茶の水書房 1990年 (書評).『法制史研究』41号1991年、pp.340-343.
- 「1992年の歴史学会―回顧と展望―古代ギリシア」 『史学雑誌』102編5号1993年、 pp.315-319.
- 桜井万里子『古代ギリシアの女たち』中公新書 1992年. (書評)『史潮』新輯33･34合併 号 1993年、pp.128-131.
- 宮崎亮「古典期アテナイのシュコファンテス―アテナイにおける民衆訴追」 (書評) 『法制史研究』44号 1994年、pp.320-2.
- J. Ober, The Athenian Revolution:Essays on Ancient Greek Democracy and Political Theory, Princeton 1996, (書評).『西洋古典学研究』46号1998年.pp.131-133.
- 桜井万里子『ソクラテスの隣人たち―アテナイにおける市民と非市民』山川出版社 1997年.(書評)『史学雑誌』108編6号1999年、pp.95-99.
- P. J. Rhodes with D. M. Lewis, The Decrees of the Greek States, Oxford 1997, (書評).『西洋古典学研究』48号、2000年、pp.131-134.
- P. Flensted-Jensen et al. (eds.), Polis & Politics. Studies in Ancient Greek History Presented to Mogens Herman Hansen on his Sixtieth Birthday, August 20, 2000, Copenhagen 2000, 『西洋古典学研究』50号、2002年、pp.113-115.
- 「問い直されるギリシア史」『歴史と地理』581号、2005年、pp.39-42.
- 中村純「デーモス、デマゴーグ、そしてデモクラシー：前５世紀後半のアテネ民主政について」（書評）『法制史研究』56号、2007年3月、332-333頁
- 堀井健一「古典期のアテナイ民主政に関する論争とプラトン『法律』の一記述に関する問題」（書評）『法制史研究』59号、2010年3月、407-410頁
- 佐藤昇『民主政アテナイの賄賂言説』山川出版社2008年(書評)『史学雑誌』120編9号、2011年、93-99頁
- 栗原麻子「アッティカ民衆法廷における報復のレトリック———リュクルゴス『レオクラテス弾劾』を中心にして」（書評）『法制史研究』65号、2016 年3月、313-315頁
- 仲手川良雄『古代ギリシアにおける自由と社会』（書評）『歴史学研究』952号、2016 年12月、41−44頁、70頁
小稿・事典項目
- 尾形勇他編『歴史学事典３ かたちとしるし』弘文堂、1995年、項目執筆 「月桂樹」
- 尾形勇他編『歴史学事典９ 法と秩序』弘文堂、2002年、項目執筆「裁判制度（古代ギリシアの）」
- 西川正雄他編『世界史辞典』角川書店、2001年、「アイスキネス」「アテネ」「民主政」「民会」他多数項目執筆
- 伊藤貞夫・本村凌二編『西洋古代史研究入門』東京大学出版会、1997年3月、24-33頁 (IB「国制と政治」担当)
- 服部良久・南川高志・山辺規子編『大学で学ぶ西洋史［古代・中世］』ミネルヴァ書房、2006年8月、24-37頁（第１部第２節「ギリシア・ポリス世界の繁栄」担当）
- 歴史学研究会編『世界史史料１ 古代のオリエントと地中海世界』岩波書店、2012年7月（第３章第３節「デロス同盟とアテナイの覇権確立」「ペリクレスとアテナイ民主政」「アテナイ以外のポリスの法整備」「アテナイのデロス同盟支配強化」「アテナイの戦時財政」担当）
- 『世界史教授資料 研究編』山川出版社、27-58頁、2013年３月
- 木村靖二・岸本美緒・小松久男編『詳説世界史研究』山川出版社、2017年11月（序章「先史の世界」、第1章「オリエントと地中海世界」担当）
学会報告・講演─国内
- 「古典期アテナイのエイサンゲリア(弾劾裁判)について―その手続きと民主政における意義―」史学会第84回大会 1986年11月9日 於 東京大学
- 「アテナイのドキマシア(資格審査)について―その機能と民主政―」日本西洋古典学会第38回大会 1987年6月6日 於 筑波大学
- 「古典期アテナイの公職者弾劾制度と直接民主政」法制史学会第41回総会 1989年4月3日 於 一橋大学
- 「アテナイ民主政の展開とパトロネジ」日本西洋史学会第41回大会古代史部会 1991年5月19日 於 名古屋大学
- 「アテナイ民主政における司法への民衆参加」 法制史学会第42回研究大会(シンポジウム『司法への民衆参加の歴史―西洋―』)1994年10月2日 於 島根大学
- 「説得と民主政―モノからコトバへ」 西洋古典学会第49回大会(日本学術会議西洋古典学研究連絡委員会共催 シンポジウム《説得》)1998年5月31日 於 大阪市立大学)
- 「贈与から賄賂へ―贈収賄罪の成立とアテナイ民主政」 史学会第96回大会 1998年11月15日 於 東京大学
- 「贈与のアンビヴァレンス：アテナイ賄賂再考」国際シンポジウム『今、民主主義の原点を問う：古代ギリシア民主主義の理想と現実』於 青山大学文学部、2004年7月2日
- 「ギリシアの『衰退』とは何か：研究の現状と問題点 論点開示」日本西洋史学会第58回大会古代史部会小シンポジウム「西洋古代史における『衰退』の問題」2008年5月11日 於 島根大学
- 「古代ギリシアの城壁と疫病：防ごうとしたもの・防げなかったもの」第112回平成22年春季 東京大学公開講座 2010年4月10日 於 東京大学
- 「古代オリンピック：ギリシャ人のからだとこころ」国立西洋美術館「大英博物館 古代ギリシャ展」講演会 2011年7月16日 於 国立西洋美術館
- 「歴史のなかの公と私：趣旨説明」第109回史学会大会公開シンポジウム「歴史のなかの公と私」2011年11月5日、於 東京大学
- 「古代オリンピック：ギリシア人のこころとからだ」東京都歴史教育研究会講演会 2016年6月18日 於 都立三鷹中等教育学校
- 「ペリクレスとアテナイ民主政」2017年11月20日 於 NHK文化センター青山教室
- 「ギリシア人の世界と古代オリンピック（第1〜6回）」2018年5月15日、29日、6月5日、19日、7月3日、17日 於 NHK文化センター青山教室（NHKラジオ第２放送 カルチャーラジオ 歴史再発見 ７月３日〜９月２５日 毎週火曜放送）
学会報告・講演─海外
- "Athenian Bribery Reconsidered: Some Legal Aspects", Anatomy of Cultural Revolution, Athens 430-380, The Faculty of Classics, Cambridge University, 18 November 2002.
- "Athenian Bribery Reconsidered: Were They Really Venal?", Clare Hall ASH Colloquia, Clare Hall, Cambridge University, 14 January 2003.
- "Athenian Bribery Reconsidered: Some Legal Aspects", NECROS (North East Classical Research and Operations Seminar), Department of Classics and Ancient History, Durham University, 3 February 2003.
科研費等─科学研究費
- 科学研究費奨励研究(A) 平成元年～２年度：「古典期アテナイの直接民主政における公職者弾劾制度の研究」（研究代表者）
- 科学研究費総合研究(A) 平成２年～３年度：「ヨーロッパの北と南」（研究分担者）
- 科学研究費一般研究(C) 平成３年～４年度：「古典期アテネにおける民主政の成熟と世代間断絶」（研究分担者）
- 科学研究費基盤研究(A)2 平成９年～１１年度：「グローバル・ヒストリーの構築と歴史記述の射程」（研究分担者）
- 科学研究費基盤・､究(C)2 平成９年～１１年度：「西洋古代における贈収賄罪の立と贈与文化」（研究代表者）
- 科学研究費基盤研究(C)2 平成１３年～１５年度：「古代ギリシア民主政における説得と合意の文化史的研究」（研究代表者）
- 科学研究費基盤研究(C)2 平成１７年～１９年度：「古代ギリシアにおける公共圏と民主政コード形成の比較文化史的研究」（研究代表者）
- 科学研究費基盤研究(C)2 平成２０年～２２年度：「古代ギリシアにおける紛争解決と公共圏の比較文化史的研究」（研究代表者）
- 科学研究費基盤研究（C) 平成23年〜25年度：「古代ギリシアにおける暴力と社会秩序の比較文化史的研究」（研究代表者）
- 科学研究費基盤研究（C) 平成26年〜28年度：「古代ギリシアにおける和解と調停の比較文化史的研究」（研究代表者）
- 科学研究費基盤研究（C) 平成29年〜31年度：「古代ギリシア民主政における無頭性とリーダーシップの研究」（研究代表者）
その他の研究助成
- 財団法人国民学術研究助成 平成４年度：「アテナイ公職者弾劾制度の研究」
- 国際交流基金 人物の海外派遣助成 平成１３年度：「アテナイ民主政の政治と社会：前５世紀における伝統と変容」
受賞
所属学会
- 日本西洋古典学会会員（昭和59年4月～現在）
- 日本西洋史学会会員（昭和61年5月～現在）
- 史学会会員（昭和62年7月～現在）
- Hellenic Society（平成10年３月～現在）
- British Epigraphical Society（平成14年９月～現在）
教育活動
講義・演習
- 西洋史学特殊講義「アテナイ民主政の諸問題」
- 西洋史学演習「古代ギリシア史演習」
- 大学院演習「ギリシア碑文演習」
非常勤講師等
その他