臨床倫理プロジェクト

プロジェクト紹介

研究プロジェクトの研究資金

■プロジェクト研究《医療システムと倫理》
プロジェクト・リーダー:清水 哲郎
本プロジェクト研究は、日本学術振興会 人文・社会科学振興のためのプロジェクト研究事業 の研究領域Ⅲ(科学技術や市場経済等の急速な発展や変化に対応した社会倫理システムのあり方について研究する領域)に属するものです。


現代社会における医療の諸問題を解決し、その望ましいあり方を実現することは喫緊の課題である。これに取り組む研究には、医療技術の高度化を図る視点のみならず、科学技術を担いまたそこから益を得る人間および社会に注目する視点が必要とされる。本プロジェクト研究は、後者の視点を持つ人文・社会科学諸領域の研究者が参加する場を形成し、個別の医療現場から社会の医療体制までを視野に収めて、諸レベルで問題に取り組みつつ医療のシステムと倫理を探り、医療が今後どうあるべきかを提言することを目指す。さしあたって現場と密着した臨床倫理学研究および社会システムレベルでの実証的経済学研究を軸とする二つのコア研究を立て、他のプロジェクト研究とも交流しつつ、研究を展開する。

・コア研究 医療現場における意思決定・問題解決・協働
グループ・リーダー 清水哲郎(東北大学大学院文学研究科)
医療の質の向上のために、意思決定や問題解決のシステムを構築し、関係者の協働体制を整備する必要がある。本研究はこのために、医療者-患者・家族間、医療従事者間、さらには地域における協働システムの望ましいあり方を探り、提言することを目指す。臨床倫理学を研究の核かつ現場とのインターフェースとして、関係諸領域の研究者と現場の医療者からなる共同研究グループを構成し、患者・家族の協力を得ながら、研究を進める。

・コア研究 医療システムと医療専門家組織、保険者、民間保険機関の役割
グループ・リーダー 吉田 あつし(筑波大学社会工学系)
現在の公的医療保険システムを維持すべきか、民間医療保険を主体にしたアメリカ型システムを取り入れるべきかが医療政策上の重要な論点になっている。本研究は、医療専門家集団の果たすべき機能と専門家としての倫理について理論的・実証的に分析し、公的保険者の役割や民間保険機関の機能を分析することを通じ、医療保険システムの中で医療専門組織、公的保険者、民間保険機関の果たすべき機能を再設計するための施策を提案する。

2003-07年度の活動