臨床倫理プロジェクト

プロジェクト紹介

研究プロジェクトの研究資金

■科学研究費 基盤研究(A)「ケア現場の意思決定プロセスを支援する臨床倫理検討システムの展開と有効性の検証」
研究期間: 2011~2014年度
研究代表 : 清水哲郎
研究目的:
医療・介護現場において、ケア従事者と患者(ないし利用者)・家族とが、コミュニケーションを通して死生に関わる判断や生き方に関わる意思決定をするプロセスに焦点をあて、①倫理的に適切で、死生に関する理に適った価値観に配慮した判断や選択に至るために、ケア従事者および患者・利用者と家族を現実にサポートし得る理論を整え、②それに基づく実践的に有効な決定プロセスの設計図とそれを当事者たちが辿ることを支援するツールを開発することを目的とする。
①の理論面においては、これまでに見出した、③個別の選択に臨む〈行為者の姿勢〉に定位した、臨床の倫理原則の理解、④人間関係の〈同の倫理と異の倫理〉という枠による分析、⑤意思決定プロセスについての〈情報共有から合意へ〉という理解等をさらに発展させ、加えて⑥倫理の形式面を中心とする臨床倫理学と、実質面、すなわち死生の価値評価を中心とする臨床死生学との融合を試みる。
また②の実践面においては、医療・介護従事者と共同で、実践と研究が一体化した活動(=アクション・リサーチ)を進め、医療・介護の各領域ごとに具体的な問題と取り組み、そのような場に臨んで哲学することが、どこまで臨床的に有効な知として結晶するかを検証する。
本研究を通して、研究代表者の研究を若手研究者が受け継いで行くことも目指す。