16-19世紀、伝統都市の分節的な社会=空間構造に関する比較類型論的研究


研究グループ発足にあたって

昨年度、都市史研究会の“界隈”で、二つの大型科研プロジェクトが新たに始動しました。一つは、基盤研究S「16-19世紀、伝統都市の分節的な社会=空間構造に関する比較類型論的研究」(代表:吉田伸之、2006-2010年度)で、もう一つは基盤研究A「都市イデアの生成と変容に関する空間論的研究」(代表:伊藤毅、2006-2008年度)です。伊藤氏と吉田は、この二つのプロジェクトを相互に密接不可分なものとして捉え、これまでの“ぐるーぷ・とらっど”と同様に共同で運営することにしました。“とらっど3”の誕生です。

とらっど3は、公正で民主的な運営に努めることを基礎として、ディシプリンを一層重視しつつ、21世紀前半の都市史研究の方向性を戦略的に見据えた研究計画を実践してゆくつもりです。そして次世代を担う若手研究者を支援し、海外の都市史研究者と意味のある研究交流を展開したいと思っています。

すでに昨年6月には、『シリーズ・伝統都市』という新たな出版企画をスタートさせ、そこでの執筆予定者の方を中心に毎月のように公開研究会(都市史研究会)を開催しております。また、基盤研究重視を具体化するために、「描かれた都市」研究会、「都市と宗教」研究会、「江戸町触を読む会」等の研究会が活動をはじめました。

とらっど3の昨年度の重点研究課題は「分節構造と社会的結合」です。これは伝統都市の社会=空間構造の特質を、比較史的に検討しようというものです。これにむけての企画として、①アラン・チレー氏招聘プロジェクト、②都市史研究会シンポジウム、の二つにとりくみ、おかげさまで盛況のうちに終えることができました。今年度も、これらの継続、また新しい企画(別項)の展開を含め、多くの皆様の御参加をお待ちしております。(吉田伸之)

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