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発掘調査

現在調査中の遺跡

大島1遺跡全景

大島1遺跡 全景
(2018年撮影)

大島1遺跡1号竪穴調査開始時

1号竪穴 調査開始時
(2017年度調査)

遺跡名 大島1(おおしま1)遺跡
場所 北海道北見市常呂町字東浜111-1
調査原因 学術調査
調査期間 2023/08/21-2023/09/30
2019/08/21-2019/09/30(トレンチ)
2019/05/08-2019/05/16(地形測量)
2018/08/21-2018/09/30(トレンチ)
2018/05/15-2018/05/23(地形測量)
2017/08/21-2017/09/30(1号竪穴)
2017/06/23-2017/07/05(地形測量)
調査面積 2023年度:144m2
2019年度:8m2
2018年度:8m2
2017年度:144m2
主な時代 擦文時代・続縄文時代
主な遺構 竪穴住居跡(擦文時代・続縄文時代?)

遺跡の概要

 大島遺跡群は、常呂川の河口付近、常呂川と能取湖に挟まれた山地がオホーツク海に向かって僅かに突き出した丘陵の先端部に位置する、やや大きな規模の竪穴群遺跡です。全体が東西の二群に大別され、合計で200基以上の竪穴が窪みで残っています。大島1遺跡はこれらのうちの東群に相当します。

 大島1遺跡では、合計で169基の竪穴が複数の尾根筋に沿うように分布しています。今回、調査対象とした地点は遺跡の東端にある尾根の先端部分で、ここでは標高約30m-45mの尾根上を中心に竪穴の窪みが確認されています。竪穴の多くは平面形が方形を呈していることから、主体となるのは擦文時代の竪穴と考えられます。また、方形の窪みのほかに舌状部が付いた竪穴も確認されており、それらは続縄文時代の竪穴である可能性が高いと考えられます。

 大島1遺跡では1970年に東京大学によって測量調査が実施されていますが、2017年以前に発掘調査がおこなわれたことはなく、今回が初の本格的調査になります。本遺跡も海岸沿いの丘陵上に立地するという点で、付近一帯の擦文時代の竪穴群とは様相が異なっており、大島2遺跡との関係を含め、その内容や性格の解明が調査の主な目的となります。

2023年度の調査概要

大島1遺跡1号表土層掘り下げ作業

1号竪穴 2023年度調査終了時の状況

 2017年度からの継続で、遺跡の東端にある尾根に位置する1号竪穴を調査しました。
 竪穴の窪みに対してサブトレンチを設定し、竪穴内の土層堆積と床面までの深さを確認しました。竪穴の埋土や床面付近などで焼土と炭化材が検出されており、焼失住居である可能性が高いとみられます。
 方形とみられる竪穴の平面形や、出土土器等から判断すると、1号竪穴は擦文文化期のものと考えられます。

 大島1遺跡の調査は、2024年度も継続して行う予定です。

 

2019年度の調査概要

大島1遺跡1号表土層掘り下げ作業

86-42〜43区試掘トレンチ 調査完了時

 遺跡の東端にある尾根の、2018年度に測量を実施した地点の西隣で測量調査を実施しました。
 標高約42-48mの尾根上で23基の窪みを確認しました。平面形で分類すると、方形のものが21基、舌状部が付いた方形のものが2基となります。

 1号竪穴の南北に設定した2カ所の試掘トレンチの調査も、2018年度からの継続で実施しました。茶褐色土の下層の砂質ローム層の上面まで掘り下げ、土層堆積を確認して調査を完了しました。どちらのトレンチからも遺構は検出されていません。

 大島1遺跡の調査は、2020年度も継続して行う予定です。
(※追記 コロナ禍による実習の制限等の理由で、2022年度まで調査を一時中断しました)

 

2018年度の調査概要

大島1遺跡1号表土層掘り下げ作業

70-31〜32区試掘トレンチ 掘り下げ作業

 遺跡の東端にある尾根の、2017年度に測量を実施した地点の西隣で測量調査を実施しました。
 標高約38-46mの尾根上で16基の窪みを確認しました。平面形で分類すると、方形のものが15基、小型で円形のものが1基となります。

 1号竪穴の調査は行わず、同竪穴の北側と南側にそれぞれ1m×4mの試掘トレンチを1カ所ずつ設定し、竪穴周辺の土層堆積等の確認を行いました。表土下の茶褐色土の調査の途中で作業を中断し、本年度の調査を終了しています。

 測量調査と試掘トレンチの発掘調査は、2018年度に継続して行う予定です。

 

2017年度の調査概要

大島1遺跡1号表土層掘り下げ作業

1号竪穴 表土層 掘り下げ作業

 遺跡の東端にある尾根の先端部分で測量調査を実施しました。
 標高約30-40mの尾根上で35基の窪みを確認しました。平面形で分類すると、方形のものが33基、舌状部が付いた方形のものが1基、小型で円形のものが1基となります。

 1号竪穴の調査にも着手しました。窪み内の表土を掘り下げる途中で、本年度の調査を終了しています。

 測量調査と1号竪穴の発掘調査は、2018年度に継続して行う予定です。