中村美帆
NAKAMURA Miho
【経歴】
大学4年次を休学して8ヶ月ほど過ごしたイタリアの片田舎で「人間には文化が必要だ!」と思い立って帰国。その後、美大の友人の家でたまたま手にした1冊の本から文献を辿って文化資源学と出会う。
・2004年度 慶應義塾大学アート・センター アート・マネジメント・エキスパート・セミナー修了
・2005年3月 東京大学法学部第2類(公法)卒業
・2005年3月 東京大学学際情報学環教育部修了
・2010年4月 青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラム修了
2005年4月より文化資源学研究室に在籍して現在に至る。
【研究テーマ】
人間の価値観や生き方に深く関わる文化の問題を、社会のデザインの問題として考えたいと思い、文化政策の研究をしています。理念や思想といった抽象的なものから、それを現実にする具体的な実践のロジスティックまで、幅広く対象にしています。特に、人間が人間らしく文化的に生きていくことを、生まれながらの人権として認める文化権(Cultural Right)という考え方に関心があります。権利というと堅苦しくきこえる面もありますが、権利というフィクションが持っている、文化が必要だと思う気持ちをもっともなものだと勇気づけ(empowerment)られる可能性を大事にしたいと思っています。
【論文・発表等】
・修士論文「自由権的文化権の保障からみる「表現の自由」の課題:小説「石に泳ぐ魚」出版差し止めを事例として」
・その他業績は こちら
【主な活動】
・日本学術振興会特別研究員(DC2)(2009年~)
・早稲田大学GCOE「演劇・映像の国際的教育研究拠点」研究生(2007年秋~)
・世田谷パブリックシアターレクチャープログラム『パブリックシアターのためのアーツマネジメント講座』TA
・2008年度日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究B)
「行政構造改革が戦後日本の芸術文化政策の成果に与えた影響に関する研究」アシスタント
・日本学術振興会人文・社会科学振興プロジェクト研究事業Ⅴ-2(~2009年3月)
「日本の文化政策とミュージアムの未来」「都市政策の課題と芸術文化の役割に関する研究」グループ事務局
http://www.l.u-tokyo.ac.jp/CulturalPolicy/index.html
・早稲田大学GCOE「演劇・映像の国際的教育研究拠点」研究員(2007年秋~2009年3月まで)
・小金井市芸術文化振興計画策定委員会事務局(仮称)(2007年4月~2009年3月)
・逗子市文化振興条例(仮称)検討委員会調査協力(2005年11月~2006年10月)
・足立区社会教育委員会議「足立区における文化芸術振興のための基本施策の策定」調査協力(2005年7月~10月)
長嶋由紀子
NAGASHIMA Yukiko
【経歴】
宮崎市出身。お茶の水女子大学文教育学部国文学科卒業後、企業勤務を経てモンペリエ第三大学で学ぶ。その後、在京のフランス系企業、在日フランス大使館で産業経済分野での日仏交流の職歴を積む。2005年4月より東京大学大学院文化資源学研究専攻。2007年10月より早稲田大学演劇博物館グローバルCOEプログラム「演劇・映像の国際的教育研究拠点」芸術文化環境研究コース客員研究助手(2010年3月まで)。
【研究上の関心】
身近な生活空間における芸術文化環境はそこに暮らす人間のあり方に大きく影響を及ぼすものではないでしょうか。国内外のいくつかの都市で暮らした経験から、日常の行動範囲のなかで偶然のように訪れる芸術作品との出会いや異文化との接触が蓄積され、次第につながって再構築されて、新しい考え方や生き方を形成していていくことを実感しました。それをもたらしているのは「ほんとうに偶然なのか?」。この問いの芽生えが、文化政策研究に向かう出発点でした。ひとりひとりの人生の可能性を大切にする社会に生きたいという願いが基盤にあります。この視点からフランスの文化政策の歴史と社会背景を分析することが研究課題です。
【修士論文】
「文化開発の理念とフランス自治体文化政策の創成期 ― グルノーブル市デュブドゥ市政時代(1965-83)を中心に ―」(2006年12月)
【論文】
・「『文化開発』の理念とフランス自治体文化政策の創成期 ―グルノーブル市文化政策(1965-83)の問題意識と影響力―」『文化資源学第6号』、2008年3月、49-62頁。
・「フランス都市文化政策論 -アヴィニョン・ミーティング(1964-70)の時代」『演劇博物館グローバルCOE紀要 演劇映像学2007 第1集』、2008年3月、131-150頁。
・「フランス都市文化政策論-制度史からみる政策理念の変遷 (1971-1994)-」『演劇博物館グローバルCOE紀要 演劇映像学2008 第1集』、2009年3月、241-260頁。
・「フランス文化政策分権化の進行と「協力」の制度化-地域文化施設運営の問題を中心に-」『演劇博物館グローバルCOE紀要 演劇映像学2009第2集』、2010年3月、2010年3月、49-66頁。
【翻訳(共訳)】
・フレデリック・マルテル(著)、根本長兵衛・林はる芽(監訳)『超大国アメリカの文化力』、岩波書店、2009年2月(担当:第五章「地域における文化の民主主義」 第六章「文化戦争(カルチャー・ウォーズ)」、201-312頁)。
・クリスティアン・ビエ、クリストフ・トリオー、エマニュエル・ヴァロン(共著)、佐伯隆幸(監訳)『演劇学の教科書』、国書刊行会、2009年3月(担当:エマニュエル・ヴァロン、補論「劇場の外部、外部から見た演劇」、593-627頁)。
南雲由子
NAGUMO Yuko
【研究テーマ】
アーティスト自身による、制作発表/生活の両立可能なシステムの構築
【経歴】
1983年、東京生まれ。2001年より山野美容芸術短期大学にて美容の技術を学び、美容師国家資格取得後、東京芸術大学美術学部先端芸術表現科へ。2008年卒業。2008年より、山野美容芸術短期大学教員。
映画、PV等でヘアメイクとして活動する他、人に直接触れ、相手にスウィッチを入れる、行為としてのヘアメイクを主としたプロジェクト型作品等、制作活動中。2007年<大阪・アート・カレイドスコープ2007>出展。2009年<大地の芸術祭2009 越後妻有トリエンナーレ>出展。
*2009年度修了
黄茗詩
HUANG Ming Shih
台湾台北市出身。文化経営専攻修士課程。
台湾で大学を卒業後、実演団体のJU PERCUSSION GROUPに入社し、アートマネジメントの仕事を経て、文化資源学研究室に進学。アートマネジメント人材の育成と活用について関心を持つ。趣味としては、きれいな音を楽しむことや、音をきれいに出すことがもっとも好き。
松浦耕平
MATSUURA Kohei
入学にいたるまで
学部3年のとき受講した、小林先生の授業に感銘を受けました。日本における芸術文化の位置づけに対し、自分が漠然と感じていた疑問について、言語化し、整理するきっかけと、そのためのツールを与えられたように思いました。あれから2年、いまこの場でこうして研究できることに感謝しつつ、大学院での生活を送っています。
社会人経験がある方が多く、バラエティに富んだ学生が集まるのが文化資源学研究室の特長です。どちらかというと出不精でこもりたがる方の人間ですので、諸先輩方や同期のみなさんのまぶしさに圧倒されながらも、マイペースに研究に励んでいます。
趣味
音楽、特にクラシック、ジャズが好きです。とある楽器を演奏するのが趣味だったことから、持っているCDのおよそ7割がその楽器関連のものであるのが密かな悩みです。クラシックならば、19世紀後半以降のもの、主に室内楽や協奏曲、ジャズは、ビバップ期以降のコンボを聴きます。
*2009年度修了
横山梓
YOKOYAMA Azusa
*Art(原点)
小さい頃から絵を描くのが好きでした。祖父が、京都・嵐山の私立美術館で働いていた時期があり、そこに遊びに行って展示物を見るのが大好きでした。おそらくその辺りに原点があって、学部時代は迷わず美術史を専攻し、ご縁あっていまは文化資源にいる次第です
*Zasshi(出版)
入学前まで出版社で単行本や雑誌の編集の仕事をしていました。そのせいもあって、紙媒体には愛着があり、気まぐれにアレコレ雑誌を買うのが好きなのですが、昨今雑誌の休刊・廃刊のニュースが相次いでいて、元同業者として何ともやるせない気がしています。
*Usagi(好きなもの)
「鳥獣戯画」のウサギグッズを見つけると必ず買ってしまいます。あの、愛くるしい動きが大好きです。本作を書いた平安時代の“誰かさん”(未だ定かではないようですが)は、私が最も尊敬するアーティストの一人です。
*Specialty(これから)
現在、自分なりのテーマを模索中です。かねてより「美術を伝えていくこと」に関心があり、また、前述↑のように、仕事を通して、紙媒体をはじめとする出版物の形態について改めて考えてみたいと思うようになりました。そこで、この2つがクロスする「展覧会カタログ」に焦点を当てたいと思っています。
*Announce(特技?)
学部時代は、アナウンサーのまねっこをよくしていました。でも最近は滑舌もめっぽうダメダメだし、発表の場では不覚にも緊張してしまいます・・・。強いて言うなら、辛うじて会得した腹式呼吸がカラオケで役に立っているのかなぁ・・・。
李知映
Lee Ji Young
【研究対象】
劇場は人と人を介在することで、直接的な交流、交歓を生み、自他を越えた存在や時間の共有を体験できる「場」や「空間」であると考えている。さらには、劇場は芸術家の遊びの場及び観客の家であるべきだと考えている。劇場に対するこのような考え方を土台にしながら、日本の日比谷公会堂のようなものが、殖民地時代にあった韓国で作られた府民館を見ることで、複合文化施設について考えていきたい。
【論文】
修士論文「花道の美学的研究」(早稲田大学大学院 文学研究科 演劇専攻、2008)
【論考】
「LEE STRASBERGのMETHOD演技訓練についての研究」(慶星大学院、演劇学専攻論文集、2003年)
「即興劇の理論と実際」(慶星大学院、演劇学専攻論文集、2003年)
【主な活動】
1993年〜現在 現代演劇の女優として活動
2003年 日本文化庁海外芸術人招請研修員