• 神田 1820s日本橋 2009
  • 銀座ウィーン 2013
  • 殷墟 BC.13C川崎 2013
Home > 教員紹介 >野村悠里
文化資源学 准教授
野村悠里 NOMURA Yuri
▼ 研究テーマ

誰しも小さかった頃に感銘を受けた本があるでしょう。記憶のなかにある本、かつてページをめくったときどんな音がしたでしょうか。どんな手ざわりがしたでしょうか。近刊の『或る英国俳優の書棚』(水声社)では、19世紀の名前を残さなかったある人の読書の風景、とりわけ書斎の窓の向こうの海に何を見ていたのかということを執筆しています。研究として取り組んでいるのは記録を残さなかった人の読書を本のかたちから読み解くこと、専門は装幀、製本そしてルリユールです。文化資源学研究専攻はユニークな学生たちが多く、「おと」「ことば」「かたち」を対象に思いもよらない資源resourcesを見つけてきます。sourceの第一義は水源です。川や流れの始まる場所ですが、そこにreが加わることにより、水源にのぞむという意味が強められています。もういちど水脈をたどり考え直してみようというところに文化資源学の醍醐味があります。研究を続けているルリユールもそれと重なるところがあります。これまでの製本研究では表紙のデザインや紋章本が重視され、本の綴じ方については十分に検討されてきませんでした。より広範な種類の書物を研究対象として製本職人の本づくりを再考しています。また講義や演習では、書物を後世にどのように残すべきか、次世代に文化資源を継承していくための保存修復の問題についても学生たちと考察しています。著書に『書物と製本術―ルリユール/綴じの文化史』(みすず書房、UTokyoBiblioPlaza)。その他、田村毅、塩川徹也、西本晃二、鈴木雅生編『フランス文化事典』(丸善出版)、東京大学文化資源学研究室編『文化資源学―文化の見つけかたと育てかた』(新曜社)、翻訳にA. Philips & M. Bhaskar編『オックスフォード出版の事典』(丸善出版、第19章ブック・デザイン)など。関連ホームページに「文化資源としての書物」履修生によるポスター発表(2022年度図書館総合展来場者投票賞受賞)。


TOP

東京大学大学院人文社会系研究科 文化資源学研究室
TEL:03-5841-3722 E-mail:bunka@l.u-tokyo.ac.jp All rights reserved. Since 2000