レバノン、エジプト出張報告

(1999年3月16日−3月31日)
栗田禎子(千葉大学)

目的:中東における民主化の展望について資料収集、意見交換をおこなう

活動の概要:
 (1)レバノンでは、内戦後のレバノンの政治状況について知るため、選挙制度に 関するシンポジウム、新聞の自由に関するシンポジウムに出席し、また、レバノン共 産党をはじめとする諸政治勢力の活動家たちとの意見交換をおこなった。レバノンに おける民主主義の発展にとって依然おおきな障害である、宗派主義の問題についての 資料収集をおこなった。
 レバノン政治は依然パレスチナ問題と不可分の関係にあるため、レバノン在住のパ レスチナ人の活動家、言論人とも接触した。なかでも、かつてパレスチナ研究センタ ー所長の地位にあったA.サイーグ氏との会話は有益であった。パレスチナ人の生活 の実態を知りたいと思い、限られた時間だったが、サイダー、ベイルートの難民キャ ンプを訪問した。
 このほか、M.ダーヘル教授の紹介で、レバノン大学人文学部歴史学科で、日本の 中東研究の過去と現在、について短い講演をおこなう機会を得た。

 (2)エジプトでは、国民進歩統一同盟の文化政策責任者をはじめとする政治活動 家、言論人らと、現在のエジプトの政治社会状況に関し、意見交換を行った。また、 カイロに亡命中の北部スーダンの政党指導者らと意見交換をおこなうと同時に、南部 に主たる支持基盤を持つスーダン人民解放運動の幹部がおこなった、現在のスーダン の政治軍事情勢に関する講演会にも参加することができた。