小金井プロジェクトについてプロジェクトについて

小金井プロジェクトについて

小金井プロジェクトは、東京大学大学院人文社会系研究科文化資源学研究室(代表:小林真理)と東京都多摩地域の自治体・小金井市が、2006-2008年度にかけて実施した共同研究です。小金井市芸術文化振興条例および(仮称)小金井市芸術文化振興計画の策定にあたり、文化政策研究の成果を自治体文化政策の現場に実質的に反映させて具体的な実践につなげていくことを目的に、文化資源学研究室が委員会の事務局を担当し、芸術文化振興施策を総合的かつ計画的に推進するための基本計画を作るために必要な知的サポートを行いました。

東京都小金井市は、新宿から中央線で約30分、人口11万人、都心に近いながら豊かな自然環境に恵まれたまちです。その小金井で、「芸術文化で豊かな暮らし」を目指したまちづくりのために、小金井市芸術文化振興条例および小金井市芸術文化振興計画が策定されました。背景には、小金井市文化のまち創り市民会議による提言書「文化のかおる美しいまち小金井をめざして」をはじめ、 市が寄贈を受けた中村研一記念美術館が小金井市立はけの森美術館として2006年度に新たな一歩を踏み出したこと、武蔵小金井駅南口の再開発に伴い、約40年間市民に愛されてきた公会堂に代わって、新たに(仮称)市民交流センターの設置が予定されていることが挙げられます。これらの文化施設の継続的な運用を可能にし、 市民の豊かな文化生活のための環境整備を目的として、小金井市の文化政策全体の根拠となる条例と、その内容を具体化させる計画の必要性が、認識されることとなりました。また、2001年に国において文化芸術振興基本法が制定され、 第4条において地方公共団体の文化振興施策に関する責務が示されたことも、条例制定のきっかけになっています。

文化の発展は市民の自発的な活動が中心であり、それを支える環境整備こそが行政の役割であると考えていた小金井市は、当初から、「市民とともに」条例をつくりたいという強い意向を持っていました。文化は人のこころ、精神のあり方に深く関わるものです。だからこそ、実際に生活している市民一人ひとりの声を大切に掬い取れる文化政策のプロセスを、考えていくことが求められます。 そうした市民参加型の文化政策を実現するにあたっては、国レベルだけでなく地方自治体、特に基礎自治体である市区町村レベルでの取り組みが重要になってきます。実際にこれまでの戦後日本の文化政策も、地方自治体が身近な生活の中の問題を解決しようと試行錯誤を重ねる中で発展してきました。

文化は一人ひとりの人間の生き方、暮らし方に関わる問題です。一人ひとりの実際の生活に届くような文化政策の実現に向けて、 小金井市という自治体と共同で条例・計画策定に取り組んでいます。自治体文化政策の現場での実践の中で、文化政策における新たな市民参画のかたちを構築していくことを目指して、本プロジェクトは実施されました。

小金井市芸術文化振興計画のWEBはこちらです。

このように、小金井市芸術文化振興条例と計画はその策定プロセスにあたって「市民とともに」行うプロセスを重視してきました。そして2009年4月に小金井市芸術文化振興計画は「誰もが芸術文化を楽しめるまちー芸術文化の振興で人とまちを豊かに」という理念を10年間かけて実現することを目指して実施段階に入りました。小金井市芸術文化振興計画推進事業として推進されているのが小金井アートフル・アクション!です

小金井アートフル・アクション!のWEBはこちらです。

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