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市民教養講座 【シリーズ1】今後のユーラシア動向

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【シリーズ2】ロシア東欧の文化と芸術

趣旨と各講義の概要 | 講師プロフィール | 司会者プロフィール

 

コーディネーター:
沼野 充義(第9回ICCEES幕張世界大会組織委員長・東京大学教授)+野中 進(埼玉大学教授)


趣旨と各講義の概要

この【シリーズ2】は、ロシア東欧の文化と芸術に関する総合的な入門講座です。日本でも人気の高いロシアの文学・音楽・美術・バレエ・映画などを中心に、ロシアの歴史的背景や食文化も紹介し、さらにウクライナ・ポーランド・旧ユーゴスラヴィアなどのロシア以外のスラヴ諸国の文化・芸術のありかたも視野に入れ、講師陣にはそれぞれのテーマに関する第一線の専門家を揃えました。多様な分野をカバーするために、毎回2名の講師が登壇するという大変欲張った企画です(さらに最終回はシンポジウム形式で3名の講師が講義をします)。ロシア東欧の文化や芸術に関心をお持ちの方にとってはまたとない機会となることと思います。


 

第1回】文学のヴィジョン、音楽のエクスタシー ——ロシア小説と音楽への誘い
司会:沼野 充義
日時:6/13(土)14時〜16時30分(開場13時30分)

講師1:望月 哲男(北海道大学特任教授・日本ロシア文学会会長)

ドストエフスキー『罪と罰』の主人公ラスコーリニコフも、トルストイ『アンナ・カレーニナ』の主人公リョーヴィンも、それぞれ自分のいる世界を空間的・時間的なイメージとして捉え、その感覚の中で現在や未来について考えています。彼らはどんな風景の中で考え、どんな時間感覚にとらわれているのか。そんな観点から、ロシア文学と我々の世界との関係について考えてみたいと思います。


講師2:亀山 郁夫(名古屋外国語大学学長)

チャイコフスキーを筆頭に、ムソルグスキー、ラフマニノフ、ストラヴィンスキー、プロコフィエフ、そしてショスタコーヴィチ ——ロシアの作曲家たちはなぜかくも私たちの心を揺さぶるのか? エクスタシー(恍惚)とノスタルジー(郷愁)に満ちた、ロシア音楽の秘密に迫ります。

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第2回】目と耳の快楽——ロシアの美術と詩歌
司会:野中 進
日時:6/20(土)14時〜16時30分(開場13時30分)

講師1:鴻野 わか菜(千葉大学准教授)

ロシア現代美術の魅力について、多数のスライドと共に紹介します。ソ連崩壊後の文化の状況の変化や、モスクワ、ペテルブルクの美術館・ギャラリーについてもお話しします。


講師2:坂庭 淳史(早稲田大学准教授)

「詩の国」とも言われているロシア —この講座では現在でも人々に愛されている詩をいくつか紹介します。美しく、豊かに表現された自然、愛、自由、音の響きやリズムについて解説しながら、ロシアの詩の魅力に迫っていきます。

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第3回】踊るロシア、観るロシア——バレエと映画
司会:野中 進
日時:6/27(土)14時〜16時30分(開場13時30分)

講師1:村山 久美子(舞踊史・舞踊評論家)

『白鳥の湖』ほか数々のバレエの名作を生み、スーパースターを輩出し続けているロシア・バレエは、長年、世界の賞賛の的であり続けています。そのようなロシア・バレエの歴史と現状のお話で、魅力を十分にお伝えします。


講師2:佐藤 千登勢(法政大学准教授)

ソ連・ロシア映画の伝統は、緻密なモンタージュや圧倒的な映像美、深い象徴性によって支えられてきたと言っても過言ではないでしょう。このたびは、『パパって、何?』、『父、帰る』、『夏の終止符』のソ連崩壊後に制作された三作品を通し、「父殺し」のテーマの変遷についてご紹介します。

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第4回】暮らしと食へのまなざし——ロシアの歴史と食文化
日時:7/18(土)14時〜16時30分(開場13時30分)

講師1:池田 嘉郎(東京大学准教授)

戦争や革命の続く20世紀のロシアで、人々はどのような暮らしを送っていたのだろう。また権力者と人々の関係はどのようなものだったのだろうか。スターリン時代を中心に考えてみよう。


講師2:沼野 恭子(東京外国語大学教授)

ロシアの食文化の歴史を絵画や文学や写真によってたどりながら、西欧化による貴族の食と農民の食の分離、ロシア古来の料理と外来の料理、お茶とサモワールの意義、ソ連時代と現代の食生活などについてご紹介します。

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第5回】シンポジウム スラヴ文化の広がり——ウクライナ・ポーランド・旧ユーゴスラヴィア
司会:沼野 充義
日時:7/25(土)14時〜17時(開場13時30分)

講師1:V・スロヴェイ(翻訳家・通訳)

ウクライナの伝統的な模様に組み込まれたウクライナ人の文化と世界観、特にイースターエッグ(ピサンキ)や刺繍の色、模様に込められた意味をご紹介します。


講師2:松尾 梨沙(東京大学大学院博士課程)

世界中で愛される作曲家ショパン。一方、あまり知られていない彼の祖国ポーランドの音楽史。ショパン以降現代に至るまで、ポーランドの作曲家たちは彼とどう向き合ったのか。楽曲分析を交えて検証します。


講師3:亀田 真澄(東京大学助教)

社会主義ユーゴスラヴィアは自主管理社会主義に基づき、ソ連陣営と西側陣営のあいだでハイブリッドな文化を発信していました。本講義では、そんな時代のことを懐かしむ、「ユーゴノスタルジー」の様々なあり方についてご紹介します。

*この回のみ、科研費基盤研究(A)<越境と変容 —グローバル化時代におけるスラヴ・ユーラシア研究の超域的枠組みを求めて>(科研費番号:25243002、代表者沼野充義)との共催企画になります。

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講師プロフィール


望月哲男

望月 哲男(もちづき てつお):北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター特任教授、日本ロシア文学会会長。ロシア文学。編著書『創像都市ペテルブルグ——歴史・科学・文化』(北海道大学出版会)、訳書トルストイ『アンナ・カレーニナ』(光文社)、ドストエフスキー『白痴』(河出書房新社)など多数。2010年、ロシア文学翻訳賞をロシア科学アカデミーより授与される。


亀山郁夫

亀山 郁夫(かめやま いくお):東京外国語大学学長を経て、現在、名古屋外国語大学学長。ロシア文学・芸術・音楽。著書『甦るフレーブニコフ』(平凡社)、『磔のロシア』(岩波書店、大佛次郎賞)、『謎解き「悪霊」』(新潮社、読売文学賞など。訳書ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』『悪霊』(光文社)など多数。2008年、ロシア政府よりプーシキンメダルを授与される。


鴻野わか菜

鴻野 わか菜(こうの わかな):千葉大学文学部准教授。ロシア文学・芸術。特にカバコフなどの現代美術に詳しく、日本での展覧会組織にも貢献してきた。訳書にイリヤ&エミリア・カバコフ『プロジェクト宮殿』(共訳)、レオニート・チシコフ『かぜをひいたおつきさま』他。


坂庭淳史
坂庭 淳史(さかにわ あつし):早稲田大学文学学術院准教授。専門は19世紀ロシア詩・思想。主な著書に『プーシキンを読む—研究のファースト・ステップ』(ナウカ出版)、『フョードル・チュッチェフ研究—19世紀ロシアの「自己意識」』(マニュアルハウス)、訳書にアルセーニー・タルコフスキー『雪が降るまえに』(鳥影社)。

村山久美子
村山 久美子(むらやま くみこ):舞踊史家、舞踊評論家。読売新聞舞踊舞台評を現在に至るまで25年間担当。早稲田大学、昭和音楽大学、桐朋学園芸術短期大学他で、非常勤講師として舞踊論、ロシア・バレエ史、ロシア語、ストリートダンス実技を担当。著書に『二十世紀の10大バレエダンサー』(東京堂出版)他。

佐藤千登勢
佐藤 千登勢(さとう ちとせ):法政大学国際文化学部准教授。専門は20世紀ロシア文学、ロシア映画。著書『シクロフスキィ 規範の破壊者』(南雲堂)、『映画に学ぶロシア語』『チェブラーシカ』(東洋書店)、共著書『ロシア文学への扉』(慶應義塾大学出版会)など。

池田嘉郎

池田 嘉郎(いけだ よしろう):東京大学大学院人文社会系研究科准教授。専門は近現代ロシア史。主な仕事は、著書『革命ロシアの共和国とネイション』(山川出版社)、訳書シュテュルマー『プーチンと甦るロシア』(白水社)、編著『第一次世界大戦と帝国の遺産』(山川出版社)。


沼野恭子
沼野 恭子(ぬまの きょうこ):東京外国語大学総合国際学研究院教授。ロシア文学、比較文学、食文化。主な著書に、『アヴァンギャルドな女たち——ロシアの女性文化』(五柳書院)、『夢のありか—「未来の後」のロシア文学』(作品社)、『ロシア文学の食卓』(日本放送出版協会)、ウリツカヤ、クルコフ、ペトルシェフスカヤなどの現代ロシア文学の翻訳多数。

ヴィヤチェスラヴ・スロヴェイ
ヴィヤチェスラヴスロヴェイ:翻訳研究者・翻訳家。ロシア語・ウクライナ語・英語・日本語の概念メタファーに現れる世界観の比較その翻訳の問題を研究。シェフチェンコ記念キエフ国立大学卒、東京大学大学院人文社会系研究科現代文芸論博士課程満期退学。

松尾梨沙
松尾 梨沙(まつお りさ):東京大学総合文化研究科博士課程在籍。専門は音楽学、比較芸術。特にショパン研究。論文に『ショパンの文体と音楽構造——新たな分析方法をもとめて』(超域文化科学紀要 17)など。

望月哲男
亀田 真澄(かめだ ますみ):東京大学文学部助教。専門は、ロシア東欧における共産主義政権下の文化研究。著書『国家建設のイコノグラフィー —ソ連とユーゴの五カ年計画プロパガンダ』(成文社)、共著書『アイラブユーゴ ユーゴスラヴィア・ノスタルジー』(社会評論社)。

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司会者プロフィール


沼野 充義(ぬまの みつよし):東京大学文学部教授。元日本ロシア文学会会長(2009〜13年)、現在日本ロシア・東欧研究連絡協議会代表幹事。ロシア・ポーランド文学、文芸評論。著書に『亡命文学論』(作品社、サントリー学芸賞)、『ユートピア文学論』(作品社、読売文学賞)など。

野中 進(のなか すすむ):埼玉大学教養学部教授。ロシア文学・思想・批評理論。共編著に、『ロシア文化の方舟 —ソ連崩壊から20年』(東洋書店)、『いま、ソ連文学を読み直すとは』(埼玉大学教養学部)、『ロシア・フォルマリズム再考 —言語・メディア・知覚』(せりか書房)など。

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